パリの街を彩ったポスターと芸術家たち。『”カフェ”に集う芸術家』展|三菱一号館美術館

丸の内の「三菱一号館美術館」で開催中の企画展『”カフェ”に集う芸術家 – 印象派からゴッホ、ロートレック、ピカソまで』を観に行ってきました。
今回のテーマは、19世紀後半(1890年代頃)のパリ。当時のカフェ文化を舞台に生まれた芸術家たちの交流と、名作の数々にたっぷり浸る贅沢な時間でした。


マネをはじめとする印象派の画家たちは、日々カフェに集まっては熱い議論を交わし、そこから数々の傑作が生み出されていったのだそう。現代のカフェが「ホッと一息つくくつろぎの場」だとするなら、当時のカフェやキャバレー、ダンスホールは、ただ飲食を楽しむだけでなく「新しい表現が生まれ、爆発するエネルギーの場」だったようです。
展示を通して、当時の空気感をほんのり肌で感じることができました。

特に印象深かったのが、当時の広告に革命をもたらした「ポスター芸術」の展示。
19世紀後半、多色刷りリトグラフの技術を簡素化し、広告を「芸術」にまで高めたのがジュール・シェレ。たった3色の色版を重ねて豊かな色彩を生み出す技法は画期的で、当時のカフェやキャバレーが競って彼に宣伝ポスターを依頼したのだとか。


シェレのポスターに描かれる明るく開放的な女性たちは「シェレット」と呼ばれ、パリの街角を華やかに彩っていたそうです。単なる宣伝にとどまらず、夜の街の魅力を健康的に伝える芸術作品としてパリの人々を魅了していたと思うと、展示を見ながら当時の賑やかな街並みが目に浮かぶようでした。

大好きな、ピカソの「酒場の二人の女」。
青の時代。酒場での沈黙。左側の女性のS字。ずっと観ていたい作品です。
ちなみに、今回が初訪問だった三菱一号館美術館自体も本当に素敵でした。あいにくの雨でしたが、館内は多くの来館者で賑わっていました。

1894年(明治27年)に丸の内初の洋風貸事務所として建てられた煉瓦造りの洋館を復元した建物だそうで、まさに展覧会のテーマである「19世紀末のパリ」と同時代なんですよね。wikiを見るとフランスの美術館と姉妹館提携を結んでいることもあり、19世紀末の近代美術コレクションがとても充実しているのだとか。
歴史ある建築の美しさと展示の素晴らしさに、一気にファンになってしまいました。お気に入りの場所ができて嬉しいです。
