現状分析(環境分析)とは?現状分析は「会社経営の健康診断」

現状分析とは?

 

ビジネスにおいて「現状分析」をすることは、経営戦略立案に向けて欠かせません。

 

経営戦略とは?の記事でもお伝えしましたが、経営戦略立案には「①現在地の把握」と「②目的地の設定」が必要不可欠です。「現状分析」は「①現在地の把握」をすることです。

外部環境・内部環境を分析するため、「環境分析」とも言われます。

 

今回は現状分析(環境分析)とは何か?について、目的や概要を解説します。

 

 

 

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筆者
佐治 秀保 / sajihideyasu

株式会社ビジネスのかんさつ ・ オルタナクリエイツ 代表

中小企業診断士 / PMVV・経営戦略・AI・DX・WEBマーケティングコンサルタント
広告写真家 / 広告クリエイター / ディレクター

プロフィール詳細

現状分析の目的

現状分析の目的は、経営戦略立案に向けて現在の自社のビジネス環境を把握することです。

現在の自社のビジネス環境をさまざまな手法で「分析」することで、「現在自社はどのような状況にあるのか?」を把握することができます。

意外と把握しきれていない自社の現状

コンサルティングの場で感じるのは、経営者であっても「意外と自社の現状は把握しきれていない」ということです。

個人においても「自分自身を正確に把握する」ことが難しいように、企業の中にいると経営者であっても日常の業務に忙殺されていることもありますが自社の現状を正確に把握することは難しいものです。

現状分析は「健康診断」に似ている

現状分析は「健康診断」に似ています。人間ドックや健康診断を1年に一回受診し、「現在の健康状態を把握する」ように、企業も診断を受けることができます。

診断結果から、対策すべきことが見つかる

個人においても、健康診断の結果、例えば「血糖値が高い」と診断されれば、”将来糖尿病になる可能性が高い”と判断することができます。

そのため、「食事を規則正しく摂る」「食べ過ぎない」「運動をする」など対策をとることができるでしょう。もし健康診断を受けていないと「血糖値が高い」という現状が分からないため、将来の糖尿病リスクの意識が持てず、適切な対策をとることもできません。

現状分析は、「企業診断」してもらえる

現状分析(環境分析)は、自社で実施することが難しいため外部に「診断」してもらうこともできます。これを「企業診断」とも言います。

中小企業診断士の役割としてもこれが大きいですね。中小企業診断士が「ビジネスドクター」と呼ばれるのも、企業のお医者さん的役割であるためです。

 

費用は事業規模等にもよりますが、数十万円〜数百万円程度で受診することができます。人間ドックに比べると高額ですが、社員さんを多く抱える企業の現状を正しく把握し、将来への経営戦略に役立てるためには、年に1回受診して自社の現状を把握することは企業にとって必要であると考えます。弊社でも企業診断を承っています。

現状分析の種類

現状分析は、大きく2つの環境分析に分かれます。1つは①外部環境分析、もう1つは②内部環境分析です。自社の「外と内」両面の環境を分析します。

 

外部環境分析と内部環境分析概念図

オンライン動画研修「事業計画書作成のための経営戦略立案プロセス研修」(ビジかんアカデミアより)

 

ではなぜ、外も内も分析をする必要があるのでしょうか?

彼を知り己を知れば百戦殆からず

紀元前500年ごろの中国の兵法書「孫子」の有名な格言に、「彼を知り己を知れば百戦殆からず」というものがあります。

戦いにおいては、彼(敵の状況)を知ることと、己(客観的な自分自身)を知ることが大切であるということを説いています。

 

例えばサッカー日本代表がワールドカップで戦うことを例にしてみましょう。

みなさんが監督だとします。1次リーグでスペインと当たるのであればスペインのチームについて必死で調べると思います。もしクロアチアならば、クロアチアの戦力を調べると思います。敵によって戦い方は変わるため、当然そのチームについて調べますよね。対戦する可能性が低いチーム(例えばアジア予選で敗退したチーム)についてはほとんど調べないと思います。

 

また、敵情だけを知っていても、己を知らないと戦略は立てられません。日本代表メンバーに誰が招集できそうか、どんな能力があるのか、コンディションや怪我・モチベーションなどの状態はどうか、練習や環境を整えるのにどれくらい予算があるのかなど、今の日本代表のチーム状況を正確に把握しなければ、敵に対してどのような戦略が打てるかどうかを検討することができません。

 

経営戦略においても同じことが言えます。彼(外部)を知り、己(内部)を知ることが、まず戦略立案において重要であるため、この2つの視点の分析を行います。

①外部環境分析の概要

自社のビジネスに関係する「外部の環境から影響されている特徴」を分析するのが外部環境分析です。これは個人の健康診断にはない項目になりますので、ピンとこない方も多いかもしれません。

 

企業の経営には、外部の環境に影響されて業績の良し悪しが変わることも多くあります。

具体的には、経済成長率や景気動向などの経済的環境や、人口規模などの人口動態的環境、政治や法整備などの環境などの「マクロ的環境」と、顧客のニーズや競合他社の動向といった「ミクロ的環境」があります。

 

外部環境分析の主な調査分析内容

オンライン動画研修「事業計画書作成のための経営戦略立案プロセス研修」(ビジかんアカデミアより)

 

顧客のニーズ把握は、一般的な調査会社が実施するような2次データもありますが、企業自ら既存顧客にアンケート等を実施する「顧客ニーズ調査」もあります。

 

これらの環境を分析することにより、自社ビジネスを取り巻く「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」となる要因(特徴)を洗い出すことができます。

分析をしてみると、気が付かなかった(もしくは目を背けていた)ような外部からの影響を知ることができます。

②内部環境分析の概要

内部環境分析は、自社の経営資源(リソース)の特徴を洗い出すための分析です。リソースとは、「ヒト・モノ・カネ・情報・知的財産」など、企業が現在保有している資源です。ノウハウやスキルもそうですね。

 

内部環境分析の主な調査分析内容

オンライン動画研修「事業計画書作成のための経営戦略立案プロセス研修」(ビジかんアカデミアより)

 

それらのリソースを競争相手と比較して、「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」を識別していきます。競争相手と比較する理由は、いくら「うちにはこんな技術がある!」と昔からの技術力を誇っているとしても、実は競合他社がそれ以上の価値がある技術を保有していたら「弱み」になることもあります。

 

その他に、「従業員満足度調査・意識調査」などにより、従業員がどれくらい会社の経営や自身への待遇に満足しているか、会社の方針を理解しているかなどを把握することもできます。「企業は人なり」「事業は人なり」という言葉がありますが、従業員さんの現状を把握することも内部環境分析において非常に大切です。

現状分析(環境分析)をしたらSWOT分析をする

①外部環境分析および②内部環境分析で出てきた自社の特徴を、戦略立案に向けてSWOT(スウォット)分析に当てはめていきます。SWOT分析は、経営戦略の立案のために使用されるフレームワークです。

 

ただし、経営戦略立案には「経営ビジョン(=目的地)」が欠かせません。目的地によって、現在自社を取り巻く環境である特徴(=現在地)が「機会」「脅威」「強み」「弱み」であるのかどうかは変わります。

 

経営戦略概念図サマリーSWOT分析

オンライン動画研修「事業計画書作成のための経営戦略立案プロセス研修」(ビジかんアカデミアより)

 

地図にしてもそうですが、例えばみなさんが現在愛知県にいるとして、3年後に東京に行こうとしているのか大阪に行こうとしているのか、それともアメリカに行こうとしているのかインドに行こうとしているのか、その目的地によってもルートや手法も異なるため現在使えるリソースも異なります。

 

現在地だけを見ていても、戦略は立案できません。しかし、現在地がないと、目的地までのルートが算出できないため、現状分析は必要不可欠です。地図で言うとGPSで現在の位置情報を取得するようなイメージですね。

まとめ

現状分析(環境分析)は、経営戦略立案に向けて、「現在地を把握する」ことです。大きく外部環境分析と内部環境分析があり、その中にさまざまな分析があります。

具体的にどのように分析するのかは他の記事で解説していきます。

まずは「現状分析とは何か?」「何のために実施するのか?」をインプットしていただけたら幸いです。

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主に従業員数5名〜300名規模の中小企業を対象としています。業種は問いませんが、経営の方向性や中期ビジョンを明確にしたい企業、パーパスやMVVを言語化し組織に浸透させたい企業、人材育成を強化したい企業に多くご利用いただいています。

パーパス・MVV・中期ビジョン策定は、どこまで支援してもらえますか?

経営者へのヒアリングから始まり、パーパス・MVV・中期ビジョンの設計、言語化、社内浸透のためのPMVVカードの作成までを一貫して伴走します。

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課題や戦略を一方的に提案するのではなく、定期的な1on1やミーティングを通じて、実行・改善まで継続的に関わる支援スタイルです。経営者や現場と同じ目線で考え、現場で使える形に落とし込むことを大切にしています。

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