経営戦略の立案と実行において、社内の「経営資源」を把握し、それを有効活用していくことが必要です。経営資源は「リソース」とも呼ばれます。
では、「経営資源(リソース)」とはどのようなものがあるのでしょうか?
今回は経営資源の種類やその内容について解説していきます。
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目次
経営資源とは、会社の財産です。
昔より経営資源は「ヒト・モノ・カネ」と言われ、情報社会では「ヒト・モノ・カネ・情報」とも言われるようになりました。さらに近年ではそれに時間と知的財産が加わり、「ヒト・モノ・カネ・情報・時間・知的財産」の6つに分類されることがあります。
個人と同じく、法人も財産は無限にあるものではなく、必ず限りがあります。
その財産をどのように活用していくのかが経営戦略立案において重要になるため、そもそもどのような財産があるのかを把握することは非常に重要です。
経営資源、いわゆる会社の財産には、形のある「有形財産」と目に見えない「無形財産」があります。
「ヒト・モノ・カネ・情報・時間・知的財産」の6つは以下のように分類されます。
① ヒト
② モノ
③ カネ
④ 情報
⑤ 時間
⑥ 知的財産
では、それぞれどのような内容なのかを見ていきましょう。
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まず第一に「ヒト」です。経営者・従業員含め、企業で働く人材です。経営資源の中でも一番重要な資源です。
『ヒトは財産』とも言われますよね。ヒトがいなければ企業も誕生しませんし、ヒトがいなければビジネスは運営できません。人材の材を「財産の財」として「人財」と表現することもあります。
ヒトは、単独的な能力もありますが、組織として発揮する能力もあります。難しいのが、ヒトは感情もありますしプラス面だけでなく、マイナスに働くこともあります。
また、行動姿勢やモチベーションもパフォーマンスや企業の価値に影響します。
さらに、社内だけでなく、協業先や委託先をどれくらい保有しているかの側面も重要です。苦手分野やキャパオーバーの部分などをアウトソースできる他社との関係性があることは大きな財産になり得ます。
現時点で、どのような能力を保有し、どのような状態であり、どのような価値を提供できるのか、個人・組織面で把握します。
モノは、物理的な資源です。
オフィス・店舗・工場・設備・備品・車・機材など、企業は様々な物理的資源を保有しています。好立地な場所に不動産を所有しているというのもそうです。写真家ならカメラなどの機材もそうですね。
また、商品在庫や製品在庫、加工前の素材もあります。
そういった物理的な資源をどれだけ保有しているか、あるいは負の資産として保有してしまっているか、を把握し、それをどう活用するか?を戦略立案で考えていきます。
カネは「資金」です。
資金には様々な種類があります。自社の資金である自己資金や、借入金等の他人の資金である負債もありますし、自社の資金であっても現金・預金・受取手形・売掛金など様々な種類があります。また、事業を進めるにあたって必要な運転資金もあります。
損益計算書上は黒字であったとしても、売上が実際に入るタイミングと、仕入れ先への支払いや融資の返済などの支出のタイミングが早い場合など、現金が不足してしまうこともあります。
全体の資金量も把握しておく必要がありますが、保有している資金の種類やその入と出のタイミングも把握し、活用できる金額はどれくらいあるのか?その資金を経営戦略上どのように配分するのか?を明らかにしていくことが企業運営で重要と言えます。資金がなくなっては会社もなくなってしまいますからね。
次に「情報」です。特にインターネットが普及しはじめてから、「情報」をどれくらい保有しているかが大きな財産と言われるようになりました。
「情報」にも様々な種類があります。例えば「顧客情報」ひとつでも年齢や居住エリア・家族構成などの「デモグラフィック」な情報もあれば、「購買履歴」「検索履歴」「閲覧履歴」など購買活動における情報もあります。
「情報」を分析することで、その顧客に合わせた広告やアプローチができるようになり、さらに購買を促すことが可能となるため、企業の成長にもつながります。「どんな情報をどれだけ持っているか」が財産のひとつと言えます。
近年では、「時間」も経営資源のひとつと言われます。
もちろん時間は1日24時間、1年365日というのは平等ですが、それをどう活用するかはその企業次第です。
従業員10名いて、1日8時間労働とするならば、1日で80時間・5日間で400時間です。
限られた時間をどう分配してビジネスを進めるのか、経営者が判断していかなければなりません。
また、商品開発〜リリースする時間や、注文を受けてから納品できるまでのリードタイムも価値になります。
最後に「知的財産」です。
これは名前にもう「財産」と付いてますね。知的財産には主に以下のものがあります。
発明や創作に関するものですが、これらを保有しておくことで他社との差別化を図ることができるようにもなります。
特許権などは出願・登録が可能で、特許庁により保護されます。著作権は登録などはありませんが、創作行為そのものによって発生します。
意外と無意識で知的財産に触れていることもありますので、これらの知識をインプットしておき、自社の知的財産を守り、他者の知的財産を侵害しないように企業活動することは戦略的・コンプライアンス的に重要と言えます。
今回は「経営資源(リソース)とは何か?」について概要をお伝えしました。
6つの経営資源の種類を紹介いたしましたが、それぞれの着眼で、自社にはどのような経営資源があるのかをまず把握し、その経営資源をどう分配・活用して戦略を進めるのかを考えていくことがビジネスにおいて重要です。
では、いつ経営資源を把握すればよいのか?なかなか難しいと思いますが、私はコンサルの場面で、「決算のタイミング」をオススメしています。
毎年決算では「カネ」について整理すると思います。
決算のタイミングでその他の経営資源も把握し、翌年の経営戦略のネタにできるようにすることを毎年のルーティンにしていただけたらと考えています。
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