ビジネスのかんさつ日記
category: ビジネスの観察
本日の日経新聞に掲載の「GAFAM襲う『中年の危機』」の記事が興味深いです。
GAFAMもFacebookがMetaになったからGAMAMになるのかな。
メタ19歳、グーグル24歳、アマゾン28歳、アップル46歳、マイクロソフト47歳。
ここ10年程米国および世界を席巻してきたテック企業が、次々と苦境に立たされています。
日経さんは「中年の危機(→Wiki)」と称していました。
大きな山に挑み登ってきたけど、次なる挑みたい山が見つからないのか。
若い頃は世界を変えてやろうと突っ走ってきたけど、時代も変わり、逆風や新興勢力も出てきて、体内も衰えや病を発症するなど走れなくなってきた。
やっぱり、成長には新しいことにチャレンジする・できる環境をつくることが必要です。
– ZHD WEBサイトより
2023年2月2日、Zホールディングス・LINE・ヤフーの3社が合併が発表されました。2023年度中を目処に合併を実施するそうです。
Zホールディングスは2021年3月にLINEとの経営統合をしましたが、融合が思ったより進まず、9000万人を超える顧客基盤を成長に活かせているとは言えない状況でした。
LINEとヤフーの文化の違いから、経営の意思決定スピードが遅いことを問題視されているようです。
経営環境もここ数年で激変し、広告事業ではTikTokなどの台頭で売上収益は低下してしまいました。動画配信サービスも競合が増え、「GYAO!」は3月で事業終了になってしまいます。
ECでもAmazonや楽天に勝てていない状況です。
この合併により意思決定スピードが迅速化され、失敗してもどんどんチャレンジするという姿勢を示していただき、日本のデジタル分野を世界に広がるくらいもっと盛り上げていただきたいなと期待をしています。
– トヨタイムズWEBより
2023年1月26日、トヨタ自動車が豊田章男社長、内山田竹志会長の退任と、佐藤恒治執行役員の社長昇格を発表しました。
この発表には驚かされるとともに、豊田章男社長の「意思決定力」に感服いたしました。
2009年の就任からこの13年間、外部環境的にも様々な危機があり、創業家という重圧もあると推察される中、いつもニュースで見るその意思決定力に驚かされていました。
余談ですが、僕が初めて買った車は中古のセリカSSⅡ。カラーは黒で、4つ丸目の可愛い子でした。100万円くらいだったかな。大学生でしたがローンを組んで買い、友達を乗せてたくさん遊びにいきました。青春時代はトヨタ車に乗っていました。
まず2009年はリーマン・ショックの大打撃があり、その後は米国の大規模リコール問題もありました。東日本大震災や新型コロナウイルスなど様々な危機もありますが、やはり世界的なEVシフトの波がトヨタに与えた影響は大きいのではないでしょうか。
商品戦略も改革し、損益分岐点の台数を低下させて強い経営基盤を構築されました。
EVシフトへの対応をどのように取るのかを注目していましたが、HV(ハイブリッド車)もEV(電気自動車)も幅広く揃える全方位戦略を発表した際は驚きました。
大企業らしい戦略です。中小企業ではほとんどが「差別化集中戦略」を取りますが、さすがトヨタ!と思いました。
また、会社の定義も変えました。車を製造・販売する会社から、人々の移動に関するあらゆるサービスを提供する『モビリティカンパニー』へと変化すると宣言されました。「メーカー」から「サービス業」へ変えていくというビジネスの定義を変えるという意思決定もされました。
このタイミングでの退任の意思決定は、具体的には分かりませんが、中長期的に見て次への変化をしていく必要があると感じられたからではないでしょうか。
世界的企業でこのような意思決定ができるのは本当に素晴らしいです。
中小企業では事業承継の問題がかなり深刻ですが、それにはこのような「意思決定力」の有無もあると思います。
意思決定は、経営を左右します。何をするか何をしないか。どのタイミングでどのようなリソースを使用してどんな価値を提供していくのか。
先を見据え、戦略を考え、必要なタイミングで必要な意思決定をする。
豊田社長の意思決定力は、大変勉強になります。
10月15日に群馬県渋川市の伊香保グリーン牧場で開催されたフェス、「1000人ROCK ACOUSTIC」にギターで参加してきました。
控えめに言って、最っ高に楽しかった!
ので、少しだけその観察をしたいと思います。
1000人ロックとは、その名の通り「1000人でロックを演奏する」というすごい企画。
2017年から毎年開催されているようで、ボーカル、ギター、ベース、ドラムをそれぞれ数百人ずつ募集して、合計1000人で課題曲を演奏すると言う、単純でなんともバカバカしいような熱く素晴らしい企画です。
音楽フェスはいつも客として参加しているだけですが、演奏で参加できるとは思ってもみなかったです。
▼コロナ前の1000人ロック(2019年・終わらない歌)
▼2018年・Dreamin’
↓公式サイトによると、今回の演奏の様子もいずれ動画が公開されるようです。
コロナ禍に入り2020年から中止されていましたが、今回は人数を少なく制限した「1000人 ROCK ACOUSTIC」という特別にアコースティックな形式として3年ぶりに開催されました。ソーシャルディスタンスを保ちつつ、250人〜300人くらいの演者だったようです。
もちろん観客としてお客さんも入ることができて、伊香保グリーン牧場に入園すればどなたでも見ることができます。お父さんが演奏して、お母さんや子供たちはお客として見ているという方々も多くいるようでした。
あと羊も。ただ、観客よりも演者さんの方が人数は多かったかなw
今回の課題曲は3曲でした。
・CLOUDY HEART(BOØWY)
・青空(THE BLUE HEARTS) →YouTube
・HURRY GO ROUND(hide with Spread Beaver) →YouTube
めちゃくちゃ久しぶりにギター触りましたな。「ACOUSTIC」なために、バラード曲な構成でしたね。
参加者は同じ世代かちょい上の方が多いのかなと想像していましたが、高齢の方や大学生くらいの方、高校生・中学生・小学生くらいの子たちもいて幅広かったです。年齢も、立場も、境遇も、背負っている人生も違う人たちがBOØWYとか昔の曲で一つになる感覚が最高でした。
みなさん一人一人に、いつこれらの曲に出会って、どう生きてきて、どうこのフェスにたどり着いたか、普段は何をされているか、夢は何かとか聞いてみたい!
特設のブースでオリジナルのTシャツが売っていたのでもちろん購入しました。
ただ、買いに行くのが遅れてしまい欲しいサイズの「GUITARIST」ロゴが入ったバージョンが売り切れてしまっていたので、仕方なく「DRUMMER」バージョンのTシャツを買い、ギターを弾いてました。
マスクは入場時に出場者全員に配られました。ロゴ入りでこれまた嬉しい。
流れとしては、まずはリハを11:00から約1時間やって、牧場のレストランで昼食をすまし、14:00〜本番でした。
音響の調整難しいだろうなぁ。300人集まらないと試せないから事前に調整できないもんね?でもすごく心地よく聴こえて素晴らしかったです。
丘にある「SHEEP DOG SHOW」というハリウッドサインみたいなサインものどかでいいですね。全然シープでもドッグでもないショーだけど。ショーに出るはずだった(か分かりませんが)羊さんと犬さんには今日は申し訳ないです。
1000人ロックが誕生したのは、一般社団法人 渋川青年会議所さんの創立50周年記念事業だったそうです。こう言っちゃ大変失礼なのですが、すごく意外!フェスをやっているどこかの企業が主催だと思っていましたが青年会議所さんとは。段取りもスムースで快適でした。
いいですねぇ渋川青年会議所さん。こんな企画を思いついて、企画案が通って、それを実現して、さらにそれを何年も継続しているという本当に素晴らしいです。
場所は群馬県渋川市の伊香保グリーン牧場で、渋川市も後援されているようです。
当日は渋川市の市長さんもお越しになられていて、リハーサルの後にロックに挨拶されていました。市長さんがフィールドまで来られてお話かけていただいて、一緒に記念写真も撮ってもらっちゃった。(掲載許可をいただくの忘れてしまいました…ので写真掲載はなしです)
ちなみにBOØWYの曲がよく選ばれるのは、群馬を代表するスターだからだそうですね。(wiki情報)納得です。
もともとはイタリアやフランスなどで開催されている「Rockin’ 1000」というイベントを参考にされたようです。
めちゃくちゃ楽しそう!スケール感w
Foo FightersやQueenやOasisとか演奏していてすごく羨ましい!
ニルヴァーナのSmells Like Teen Spiritとかこの規模はヤバいね。サビでジャンプしてギター弾きたい。
海外のRockin’1000もいつか参加しよう。それ目的だけでイタリア行く価値ありますよね。
ギターもアンプも買いたくなっちゃう。経済効果。
ぜひ、群馬だけじゃなくて全国でやって欲しいなぁ。各地にゆかりのあるロックスターいると思うし。
全国の商工会さんや牧場さん、自治体の皆さまもいかがですか?北海道や静岡とか。岐阜とか和歌山とか広島とか熊本とかもいいですよね。47都道府県やって欲しい。
伊香保グリーン牧場からすぐ近くの伊香保温泉も石段も水沢うどんも良かったし、渋川市が好きになりました。
中小企業診断士としてもただの音楽好きとしてでも参加してみたいと思えた、なんとも素敵な企画です。
– NHK一橋桐子の犯罪日記 Webサイトより
2022年10月から放送されているNHKの夜ドラ「一橋桐子の犯罪日記」が面白いです。
身寄りもなく貯金も少なく、唯一の親友も亡くした桐子さんが生活苦を理由に刑務所に入りたいと犯罪を犯した高齢者のニュースを見て、自分も刑務所に入る「ムショ活」を始めるというテーマのドラマ。
人に迷惑をかけないでなるべく懲役の長い犯罪をしようと、泥棒や結婚詐欺などを試みるけど、、という深刻な社会問題を写しつつユーモアな切り口で非常に面白いです。
松坂慶子さんのコメディエンヌな演技が素晴らしいです。朝ドラ「まんぷく」も大好きでした。めちゃくちゃ可愛いです。
– NHK一橋桐子の犯罪日記 Webサイトより
どうやら反響が大きかったため急遽「一橋桐子展」が開催されているようです。衣装展示とか小道具展示とか巨大顔はめパネルとかめちゃくちゃ行きたいけど開催期間中に東京でそんな時間が取れないため諦めるか…
NHK名古屋でもやってくれないかな?
反響が大きいのもよく分かります。松坂慶子さんと同じくらいの年齢の方がの視聴が多いのでしょうか。それともその子供世代やもっと若い方も多いのかな。視聴データを見てみたいですね。
なぜそんなにこのドラマは惹きつけるのか?
「シンプルかつ意外性」が鍵になっているような気がします。
まずテーマがシンプルで意外性。松坂慶子さん演じる犯罪とは縁がなさそうな愛らしいおばあちゃんが、不器用ながら色々と刑務所に入るための犯罪を考えて実行していくという無さそうだけどもしかしたら有るかもしれない設定や細かな会話も含めシナリオが素敵です。
もちろんキャストも演技も演出もカメラワークもライティングもスタイリングもロケ場所も編集も素晴らしい。50分ドラマですがテンポ良くあっという間に時間が過ぎます。
あとはネーミングもいいですね。「一橋桐子」さんて犯罪しなさそうだもんね。これも意外性。人の名前をタイトルに付けるのって結構効果がありますよね。キャラクターが立ちます。
人の心を惹きつける、いろいろなアイデアや技術やクリエイティブがうまく噛み合って素敵なドラマになっているんですね。
これはビジネスの上でも参考になるマインドだと思います。
恐れ入ります。
春になりましたので、今年初めてのキャンプに来ました。
人気の椛の湖オートキャンプ場さんです。
人気の秘密は、来たら分かりますね。今回はあえて「ビジネスの観察」はしません笑
湖側と山側にサイトがありますが、今回は山側のサイトでした。
椛の湖が望めるロケーションを筆頭に、10m×10mのテントサイトもちょうどいいし、電源もあります。山側は隣の区画との距離も適度にあって良いですね。
トイレや炊事場も綺麗だし、売店やお風呂まであり、テニス場や芝生の広場などのアクティビティも。広すぎず狭すぎず、そして静かに過ごせる素敵な場所です。
今回は椛の湖でボートにも乗りました。
名古屋からは1時間ちょいくらいかな?ちょうどいい小旅行な距離です。
やっぱり「ビジネスの観察」をした感じになりましたが…笑
ついでにマーケティングの4PのPrice面で言うと、5〜6,000円/1区画1泊ですね。
めちゃくちゃ気持ちの良いオートキャンプ場で、お気に入りでございます。
– NHKカムカムエヴリバディ Webサイトより
2021年11月から放送されているNHKの朝ドラ「カムカムエヴリバディ」。昭和から令和までの100年の物語を3人のヒロインでストーリー展開されている藤本有紀さん脚本の朝ドラです。
あさイチ冒頭の朝ドラ受け含めてNHKプラスで楽しく拝見しています。
だんだん現代に近づくにつれて、自分が知っている時代になってくるとまた親近感が湧きますね。ちょっとボクとは世代が違いますが、60〜70年代の空気感も大好きなので楽しんで観ています。
– NHKカムカムエヴリバディ Webサイトより
少し前に、2代目ヒロイン深津絵里さん演じる大月るいとオダギリジョーさん演じる大月錠一郎が京都に引っ越して、回転焼き屋「大月」を始めました。ゼロから回転焼き屋で生計立てるのも難しそうだな…と感じた方も多いかもしれませんが、それはさておき、その回転焼きが途中でパッタリ売れ行きが悪くなった時がありました。
この辺りについて、勝手ながらビジネスの観察をしていきたいと思います。
今回は、回転焼き屋「大月」を3C分析してみたいと思います。
いきなり余談ですが、「回転焼き」は関西の呼び方なのかな?ボクは「大判焼き」や「今川焼き」と呼んでいましたね。多分一緒です。日本って面白いですね。海外の方は同じものを地方で呼び方が違うなんて混乱しちゃいますよね。
ごめんなさい、本題です。
3C(サンシー)分析とは、マーケティング用語で、マーケティングの環境分析に使用されるフレームワークの一つです。3C分析は1980年代にマッキンゼーの大前研一さんが提唱された考え方です。よく現状分析の際に使用される有名なフレームワークですね。
マクロ環境のような大きな環境分析ではなく、比較的身近なミクロ環境分析になります。
基本的な戦略プロセスとしては、環境分析をしてからSWOT分析(戦略の方向性を考えるために整理するフレームワーク)に移るため、3C分析はSWOT分析の前段階の分析となります。
3C分析はその名の通り、以下の3つのCから始まる英単語で構成されているフレームワークです。
① Costomer(市場・顧客)
② Competitor(競合)
③ Company(自社)
この3つのCの関係性を明確にし、どうしたらビジネスが成功するのか?を考えるために整理していきます。
まずはCostomer(市場・顧客)です。
回転焼き「大月」は、京都のとある商店街にオープンしました。オープンしたての頃、京都商店街の方に「このへんのもんは食わんで」と言われてしまいました。京都の方は舌がこえており回転焼きは受け入れられないのではという理由でした。
るいとジョーはお祭りで見かけた回転焼き屋をやろうという安易な発想でしたので、地元のニーズ・嗜好性などは調べてもいません。もちろん、あんこの作りには自信があったかもしれませんが、開店当初に地元の方にそう言われたら顔面蒼白ですよね。。でも、視聴者の方の多くもそう思ったかもしれません。
ただ、大阪編からのお付き合いで、京都で面倒をみてくれている市川実日子さん演じるベリー(本名:野田一子)による効果で回転焼きが売れ始めます。これは超絶ラッキーです。
またまた余談ですが、ボクは「すいか」の頃から市川実日子さんが大好きで、そのために三軒茶屋の近くに住んだものでした。(正確には駒沢大学のが近かったけど)「大豆田とわこ」もよかったなぁ。
しかも、一子(いちこ)の娘が一恵(いちえ)という、なんて素敵な名付けなんでしょう。
というわけで本題に戻り、、、
今回はベリーのおかげでラッキーでしたが、まずこのCostomer(市場・顧客)でスベってしまっては、マーケティング戦略は成り立ちませんよね。でも結果的には潜在的なニーズがあったということでもありますのでマーケティングは面白いですね。
今回はここが問題ですね。途中でパッタリ売れなくなってしまったのは、「およげ!たいやきくん」が大ヒットした時でした。「たい焼きブーム」がきて子供も大人もたい焼きを買い求めるシーンが描かれました。
正確にいうと「たい焼き」と「回転焼き」は商品が異なりますが、代替品とは言えるでしょう。たい焼き食べてすぐに回転焼き食べたいな、とは思いませんからね。流行りであるたい焼きに人々が移ってしまうのも仕方ないかもしれません。
– BIGIN「およげ!たいやきくん」
しかし大ヒットしてしまったのでたい焼き屋がかなりのCompetitorになってしまいましたね。これは他の業界でもある話です。
あるコンビニの近くに違うコンビニができたり、ドラッグストアができても影響は大きいでしょう。DVDショップとNetflixなども代替品としてはCompetitorになります。
みなさんもこのようなご経験はありませんでしょうか?
消費者の立場だと「昔使っていたけど最近全然買わなくなったなぁ。」というものです。何か別の競合や代替品などのCompetitorに移ったんでしょうね。”一生安泰”というビジネスは無いので、経営する側としては「急な環境変化はあって当たり前」と心掛けて次の戦略を考えておくのがオススメです。
さあ、そうした時に自社はどうしたら良いのでしょうか?
るいの「おいしいあんこを作る技術」によって支えられている「大月」は、話題性のたい焼きに勝てるでしょうか?るいはともかくジョーの接客もマイナスになっているようです。(ボクだったらそんなジョーから買ってみたいけど)
あんこの味では勝っているかもしれませんが、それは非常に曖昧な定性的な価値観になるため明確な差別化とは言い切れず、また、多くの人はそこ(味)で判断することはできないでしょう。かなり厳しい勝負ではあります。
「良い商品を作ってるのに売れない」というあるあるの現象が起きます。
たい焼きがそうだったように、回転焼きが「走れ!回転焼き(仮)」でたい焼き以上の大ブームになるみたいな何かしらのブームが起きてバカ売れするみたいな他力本願(外部環境の変化)ではいつになるか分からず、そんなビッグなチャンスはなかなか巡ってこないでしょう。
皆さんが「大月るい」だったら、どうしますか?
ベリーの言う通り、子門真人を恨んでも仕方ありません。
もちろん答えは一つではなく、いろんな戦略と手段があるのでしょう。
こんな時、コンサルとしてどうサポートするか。そんなことを考えながら朝ドラを楽しく見ています。
– 義母と娘のブルース2022謹賀新年スペシャル Webサイトより
2020年に続き、2回目のお正月特番が放送された義母むす(義母と娘のブルース)。2018年の連ドラの時から大好きでしたが、今回も楽しく拝聴しました。
漫画の存在は知らず、ドラマのタイトルの「ブルース」に反応してしまい音楽関係のストーリーかな?と思い観た記憶がありますが、想像していた内容と違い、いい意味で裏切られた作品です。
第6話で竹野内豊さん演じる良一さんが亡くなった時は、タッチでカッちゃんが死んでしまった時くらい衝撃でした。
連ドラの時から思っていましたが、綾瀬はるかさん演じる宮本亜希子(元キャリアウーマン・コンサル)がビジネスセンスに溢れ、実にマーケティング戦略の立案と実行に優れていて、そういった面でも楽しかったです。亜希子さんがベーカリー麦田で働くようになった第7話くらいからそのセンスが垣間見えるようになりました。
「小さな奇跡」が織りなすコミカルでハートフルなドラマではありますが、個人的には義母娘はビジネスドラマとして面白く観ています。
あえてこのブログでは、今回の義母娘2022をマーケティング視点で観察してみました。
– 義母と娘のブルース2022謹賀新年スペシャル Webサイトより
今回の義母むす2022スペシャルの主な展開であった「ベーカリー麦田」と「白百合製パン」の合併話。
上場企業でもある大手の白百合製パンが経営不振に陥り、人気のベーカリー麦田との合併を竹野内豊さん演じる岩城良治率いるハゲタカファンドに唆されて…という流れでしたが、そもそも一個人店であるベーカリー麦田が人気になったのは亜希子さんの手腕でした。
佐藤健さん演じる麦田章はグッドルッキングポジティブ思考なのですが、やたら「キムタヤになる」というキーワードでテンションが上がります。どうやら「キムタヤ」とは大手のパン屋だそうで、そのようになれるということに心躍るようです。
ドラマではコミカルに演じられていますが、単純に見えて、こういったビジョンがあるのはとても重要。
いわゆる「ベンチマーク」といって、指標や基準となる企業です。こんな企業になりたいなぁというビジョンがあることは、企業経営において非常に重要になります。麦田店長並みにモチベーションにも繋がりますね。
では、ベーカリー麦田のヒット商品「ロシアンあんぱん」の4Pを見ていきましょう。
4Pとはマーケティング用語で、1960年にジェローム・マッカーシーが提唱したマーケティングのフレームワーク(枠組み)です。
以下の頭文字Pから始まる4つの英単語で4Pと呼ばれています。
① Product(製品・サービス)
② Price(価格)
③ Place(流通チャネル)
④ Promotion(プロモーション)
マーケティング・ミックスとも言われます。
これらはすべて重要で、いわば掛け算のようなもの。どの一つでも欠けていたらマーケティングは成功しないとボクは思っています。
例えば、①Product(製品・サービス)・②Price(価格)・③Place(流通チャネル)が良くても、効果的な④Promotion(プロモーション)ができていなければ認知度が高まらず売れません。
②Price(価格)・③Place(流通チャネル)・④Promotion(プロモーション)が良くても、世の中のニーズにマッチしない①Product(製品・サービス)だとしたら売れないか、一時的に売れてもリピートに繋がらないでしょう。
①×②×③×④。
掛け算なので、どれかが「ゼロ」でもマーケティングは成り立たないんですね。
マーケティングについては、詳しくはビジかんアカデミアでも取り上げています。
それではベーカリー麦田のロシアンあんぱんの4Pを整理していきましょう。
今回バズったのは、「ロシアンあんぱん」という最強のコンテンツ。ゲーム性もあり、「ラブ運」の運試しができるためか女子高生を中心に大人気になりました。
ネーミングからしてワクワクしますよね。遊び心もあり、ネーミングからそれがどのようなものなのかがパッと想像できます。
この「分かりやすさ」は非常に重要。詳しく書きませんが、競合の商品と比較してもポジショニングがしっかり取れているコンテンツです。
そして元々は麦田店長が先代から受け継いだ、美味しいあんぱんを作れる技術があり、その美味しさがあっての、ゲーム性の掛け算。これは素晴らしい商品力ですね。
ちなみに売れる前のベーカリー麦田のパンは、確かに美味しいけれど印象に残らないパンでした。
ドラマの中でチラッと見えた値札によると、「ロシアンあんぱん」の価格は200円。
手に届きやすい価格も魅力で、商品の「価値」と価格とのバランスが優れていると推察されます。良いコンテンツでも、その価値・そのターゲットに見合う値段でないとなかなかヒットになりませんよね。
今回特徴的だったのが、「移動販売」だったこと。つまりフードトラックで売れそうな場所に出向き販売しました。
どこで売るか、顧客の視点からすると「どこで買えるか?」はとても重要です。意外とこのPlaceを疎かに考えてしまう企業さんは多いのですが、この顧客との接点である流通チャネルは非常に大切です。
義母娘2022ではこの移動販売が起爆財になっていました。
ドラマ内では特別にお金をかけた広告等のプロモーション(いわゆるペイドメディア)は見えませんでしたが、まず可愛いフードトラックのデザインは非常に効果的だったと思います。トラックの運転席上部にパンのオブジェがあり、遠くからでも「パン屋」ってことが分かりますね。素敵なデザインでした。
また、上白石萌歌さんが演じる娘のみゆきや、サークルの先輩たちの呼び込みも大変効果があったと思います。みゆきは元々明るい性格であり、さらには大学で起業サークル「あそビジネス」での経験があることも大きいと思われます。桜向日葵さん演じる先輩もステキですね。
自社HPや自社SNSなどのオウンドメディアがあったかはどうかは分かりませんが、おそらくインスタなどでの購入ユーザーの拡散がハッシュタグ(#あたりパン)で見られましたし、SmartNews風のアプリで話題の欄にも記事があがったり、アーンドメディア(いわゆる消費者やインフルエンサーの拡散メディア)での集客効果が大きかったと思われます。
また、それがきっかけで麦田社長は「がっちりマンデー」に出演するなど、メディアで目立ち、認知度と信頼性を高めさらなるヒットに結びつきました。
亜希子さんはそこまでのメディア戦略までは考えていなかったような感じですが、フードトラックの雰囲気で来店きっかけをつくり、ゲーム性と美味しさのあるロシアンあんぱんというコンテンツがリピートや拡散を誘い、ヒットにつながったのでしょう。
その結果、前年比2.9倍の売上高2億超え(おそらく)となったという成功ストーリーですね。おかげで合併の話が出ていろいろありましたが、なんやかんやあって最終的には家族写真も撮れたし、すべてはマーケティング戦略の成功によるものだなぁとかなり職業病な感じで楽しませていただきました。
その他、途中の竹野内さんとのビジネス案の出し合いとかも面白かったですね。
まさにマーケティング戦略が功を奏した、小さな奇跡。
また続編があるといいな。
2021年11月10日(水)〜13日(土)に名古屋市港区にあるポートメッセなごやで開催されている「メッセナゴヤ2021」に行ってきました。
「メッセナゴヤ」は日本最大級の異業種交流展示会で、2005年に開催された「愛・地球博」の理念継承事業として、愛知県・名古屋市との共催によって毎年1回開催されている展示会です。
中小企業の販路拡大や異業種交流を目的としており、報道によると、今年は840社の中小企業や団体などが全国各地から出展されているそうです。
– メッセナゴヤ2021 Webサイトより
新型コロナウイルスの関係で昨年は対面でのリアル展示会は中止、オンライン展示会のみでしたが、今年はリアルとオンラインのハイブリッド開催になっています。
リアル展示会に行きましたが、今年は2号館が閉館となっているなど、いつもよりは規模は小さかったです。
↑3号館の反対側の2号館。
例年はこちらも多くの出展がありました。
展示会の出展募集が春先でしたので、コロナの情勢が分からない状態でもあったので見合わせた企業さんも多かったと思います。
例年に比べると小規模ですが、キッチンカーも出ていました。
残念ながら食べる時間はなかったのですが、結構盛況していましたね。
MECT2021でもそうでしたが、生産管理にしても業務効率化にしても販促にしても、主なテーマはデジタル化でした。
VR(仮想現実)や AR(拡張現実)だけでなく、MR:Mixed Reality(複合現実)の出展や、IoTの生産管理システム、デジタルホワイトボードなど、さまざまなデジタル技術を見ることができました。自動車系も出展されていましたね。
歩いていて、サービス向けでも製造業向けも教育向けも自治体向けも様々あるので脳内処理が大変ですが、それはそれでメッセナゴヤっぽくて良いのかもしれませんね。
オルタナクリエイツでお世話になっているサウンドグラフも出展していました。
相変わらず盛況で、関心の高いサービスですね。
インスタやyoutubeなどのコンテンツ表示や、Googleドライブで遠隔にコンテンツ表示設定ができるなど、販促のデジタル化を実現しています。
2年前よりもディスプレイのスタイルが増え、屋外用や、シースルー型など、面白いディスプレイがラインナップされています。
大手のクライアントさんも数多くなってきて、成長しているクールなサービスです。
デザイン性・訴求性・運用面の楽さ・即時性・紙やポスターに比べてランニングコストを減らせるなどの、企業の課題を解決しているので、この反響は必然だなと思います。
いくつかセミナーも参加いたしました。
特に印象深いセミナーは、名古屋大学の宇治原 徹教授による「未来製品開発!メッセラボ」でした。
「デザイン思考」という言葉を日本で聞くようになってから久しいですが、なかなかまだマーケティングにおいて実践できている企業は少ないと思います。
簡単にいうと、「そもそも誰が何に困っているかを考える」という問題提起・課題の抽出からスタートするデザイン思考。
ボクの大好きなマーケティング方法です。
セミナーでは、これまでの研究や活動を主にお話しいただきましたが、研究だけでなく実際に起業されて、戦略を持って事業として取り組んでおられるのが素晴らしいと思いました。
学生さんを生徒として見るのではなく、「自分ができないことができる人」という認識で、学生さんのアイデアや行動力を大変評価されていました。
実際に名古屋市交通局の地下鉄を借りて実証実験したり、事例も面白かったです。
もし機会があれば、それをビジネスに進化させる、マネタイズと持続性を構築するというところでご一緒できたらなとも思いました。
メッセナゴヤは年に1回で、来年は11/16(水)〜19(土)だそうです。
これからの1年でも、たった1年でも世の中の環境は大きく変化していくと思われます。
まだまだデジタル技術なども「製品ありき」「技術ありき」の出展が多いように思えましたが、ビジネスに本当に必要なことは、課題解決する力です。良い製品や技術があっても、誰も何も困っていなければそれは必要とされません。
ぜひ、出展者さんも、「そもそも誰が何に困っているかを考える」ところから、その課題解決を提案する形で出展されると、突然の出会いでも伝わりやすいと思います。
2021年10月20日(水)〜23日(土)に名古屋市港区にあるポートメッセなごやで開催された「メカトロテックジャパン(MECT)2021」に行ってきました。
公式HPによると、「MECT」は1987年にスタートした2021年国内最大級の工作機械の見本市で、約1700小間のブースが展示されていたようです。
今年2021年は、1日あたり15,000〜23,000人、累計で68,929人の来場者数だったそうです。感染症対策もあり2019年の前回よりは少ないものの、ボクが行った金曜日もかなりの来場者がいて大盛況でした。
「工作機械」というのは、製造業者さん以外には馴染みがないかも知れませんが、ネジや精密機械などの「機械の部品」を加工するための機械です。
「機械を作る機械」とも呼ばれてますね。
具体的には、製造を効率化するためのロボットや切削機械、プレス機や搬送用の機器などです。
なのでMECTの来場者は製造業の関係者さんがほとんどですね。
展示室内は写真NGなので、ご興味のある方は実際に行かれて体験された方が良いと思います。
一部、写真OKの展示やセミナーなどもありました。
基本的にテーマは「自動化」「省人化」「効率化」です。
これまで「手作業」で行っていた作業をロボットによる自動化を図ることで、生産効率をあげていこうというものがほとんどでした。
このMECTは2年置きに開催されていて、ボクは前回の2019年も行ったのですが、個人的な感想としては、この2年であまり劇的には変わっていないような感触を受けました。
世の中の変化率と比較すると、若干の物足りなさを感じました。
確かにスペック面では向上しているのだと思いますが、「おお、これはすごい!」と思えるような革命的なものにはボクは残念ながら出会えませんでした。
細かく言えばユーザーインターフェースなどの使い勝手や、出展のゴール設定が不明確な企業が多いなということもありますが、大きく言えばもっと革命的なインパクトが欲しかった。
来場された製造業の方々や、出展者さんの手応えはどうだったのかも知りたいですね。
ボクの意見ですが、今後(確実に来るであろう)働き手の課題やマーケティングの課題など、製造業を取り巻く環境は激変していくと思いますが、その2点に着目するようなプレゼンテーションがもっともっとあれば、なお未来が開ける気がして良かったなと思います。(愛を込めてです)
日本の製造業は日本そのものを変えるポテンシャルを持っていると思います。
次回も期待しています。
久しぶりに豊橋に仕事で行く機会がありましたので、お亀堂さんの「ブラックサンダーあん巻き」をお土産で買って帰りました。
個人的に、とても思い入れのある商品です。
地元・豊橋の2企業がコラボしてとっても話題になっている「ブラックサンダーあん巻き」。
「あん巻き」×「ブラックサンダー」という、「もっちり」と「さっくり」の異色のコラボが、分かりやすい特徴と、美味しさで大変人気があるそうです。
これまでは「つぶあん」や「こしあん」「白あん」のようなオーソドックスの商品がメインでしたが、ある時ブラックサンダーとコラボして発売されました。初めて食べたとき、その意外性と食感でびっくりするくらい美味しかったのを覚えています。
この掛け算の違和感を持たせる組み合わせが、素晴らしいマーケティングのひとつ(Product:商品開発)になっているんですよね。
「あん巻き」×「ブラックサンダー」
「もっちり」×「さっくり」
「和」×「洋」
「伝統」×「お菓子」
顧客に分かりやすい特徴は拡散力も高く、本当に強いです。
味や品質は重要なのはもちろんですが、ネーミングもストレートで素晴らしいです。
豊橋は路面電車も走っていて、たまにラッピングカーでもブラックサンダーあん巻きの広告を見かけることもできます。これはマーケティングの4Pの中のPromotion(プロモーション)のひとつ。
メディアに取り上げられる要素が盛りだくさんなので、TVなどの影響も多いと思いますが、良いマーケティングですよね。
ボクも豊橋に行くたびに家族に買って帰ります。
↓Webサイト見ていたら、「ブラックサンダーあん巻きの美味しい食べ方」ですって。レンチンしてみようかな。
どうやら全国区のTVにもよく紹介されるようで、会計中に店員さんにお聞きしてみたら、TVで紹介されたらネットでの注文が増えるそうです。
このご時世なので、ネットでも購入できるのはいいですよね。
ネットで買えるようにすることで、流通面(Place)もうまくマーケティングできていらっしゃいます。ちなみに最後の4P、Price(価格)は8個入りで1,400円だったかな?ちなみに店頭だと単品でも購入できます。
ついでに季節限定の「小倉バターあん巻き」と「焼き芋のあん巻き」も買ってしまいました。。。
味違いという商品展開によるクロスセルにやられました笑
個人的にはお亀堂さんのツイッター「あん巻き太郎」が三河弁なのも嬉しい!
明日(14日)からブラックサンダーあん巻きのネット販売開始するでね♥そして、秘密のケンミンshowも♥
1ヶ月間の限定だもんでよかったらどうぞ♥https://t.co/eFfFZghbiC#ブラックサンダーあん巻き pic.twitter.com/KVDrrgk3Xl— あん巻き太郎【お亀堂公式】豊橋応援企業 (@okamedo_jp) October 13, 2021
また数ヶ月後にも豊橋に行く予定がありますので買わせていただこうと思います。
今度の期間限定は何かなぁ?
– chiica Webサイトより
ここ数年でよく聞くようになった地域通貨。
静岡県の西伊豆町も2020年より電子の地域通貨を導入し、良い仕組みを構築しているようで興味を惹かれ、勝手ながら観察させていただきました。
地域通貨とは、その名の通り「特定の地域の中で使えるローカルな通貨」のことです。日本では2000年代の初め頃から流行り始め、ボクの地元の名古屋でも「なーも」や「おむすび通貨」などこれまで様々な地域通貨がありました。
もちろんその頃はチケットなどの紙で、アナログなものでした。
ちなみに海外では地域通貨はかなり古くからあり、地元で循環するお金で生活をしている地域も多くあります。日本でも海外の流れを汲んで導入をしたという地域もあります。
地域によって地域通貨の導入目的は様々ですが、主には、特定の地域通貨を用いることで地域にお金を落としていただき地域を活性化させたいというのが主な狙いです。
ただし、ただ通貨を作るというだけでは誰も使ってくれません。
地域通貨もマーケティングと同じく「仕組み」が重要で、どう認知させて、どう使えるか、そして地域をどう活性化させていくのかという戦略が重要になります。
西伊豆町の地域通貨は「サンセットコイン」と言うそうです。
町の夕日が綺麗だから「サンセットコイン」。そして通貨の単位は「ユーヒ」。
1ユーヒ=1円。
夕日のキレイさが町の特徴なんですね。ネーミングで「夕日がキレイ」という強みが一つブランド化されていて、とても良い名前です。
サンセットコインは電子化され、アプリで使用することが可能です。昔のようにチケットなどではないですね。コロナ禍もあり、非接触で使用できるキャッシュレスの電子通貨は、感染対策も含め運用面でもメリットがあります。
運用方法はカード型とアプリ型の2種類があり、利用者が選べるようになっています。
QRコード読み取り方式の電子通貨で、アプリかカードに表示されるQRコードを店舗の端末で読み取って使用します。
株式会社トラストバンクさんのchiicaというサービスを使用して構築されていらっしゃるようです。
新型コロナウイルス感染症による社会への影響が出た後の令和2年5月18日に、住民全員に10,000ユーヒを配布されました。10,000円分自治体からもらえたら使ってみようかなとなりますよね。ちょうど良いインパクトだったと思います。
また、マイナポイント事業とも連携して、国のポイント上乗せ分(最大5,000円)もユーヒとして受け取れたそうです。
住民へ広める一方、サンセットコインを使える取扱店も増やす必要があります。せっかく10,000ユーヒをもらっても、使うところがなかったら意味がないですもんね。
ちなみに町内に配られたユーヒの予算総額は7,700万円。付与されるマイナポイントの最大額は1億9,000万円分。そういったことも町が町内の事業者さんにPRしていました。
また、電子通貨を使えるようにするために、決済に使う端末は町から支給があったそうです。
取扱店の普及は大変なことですが、面倒・手間がかかることなどを排除し、経済効果の訴求もすることで取扱できる店を増やし、それがサンセットコインの価値を高めていったと考えられます。
通常、地域通貨はその地元の方が地域の中で循環させるイメージですが、西伊豆町では「地域外の人にも使ってもらう」仕組みもつくられています。
西伊豆町は「海釣り」が人気で、地域外の方の利用も多いそうです。
NHKの「おはよう日本」で紹介されていたのですが、面白いのが、その海釣りで「釣った魚をサンセットコインで買い取る仕組み」をつくられたそうです。アプリを利用して魚の価格を「ユーヒ」で受け取ることができ、その「ユーヒ」を町内で使っていただくという仕組みです。
これは素晴らしい仕組みですよね。釣った魚も、全部持ち帰って食べることも難しい時もあると思いますので、その場で買い取ってくれて地元のお土産や飲食店・温泉などで地域にお金を落としていってもらう。利用者にとっても地域にとってもWin-Winだと思います。
コロナ禍で地域も大きな打撃を受けていると思いますが、様々な仕組みを構築することで地域活性のきっかけになると思います。今回は地域通貨などの手段を使用した仕組みづくりでした。
地域通貨には期間限定のものもありますが、継続できる仕組みづくりも大切ですよね。
仕組みをつくる。マーケティング戦略を練る力が、地域通貨の広がり・地域活性化に必要な力となっています。
– コニカミノルタ News Releaseより
コニカミノルタさんが、自治体のDXのための専門子会社「コニカミノルタパブリテック株式会社」を設立されました。
ペーパーレス化やテレワークなどの逆風で複合機事業の未来は明るくないと思われますが、新たな収益の柱として、現在社会の課題解決に真っ向に取り組んでいくという戦略と思われます。
自治体のシステムというとボクが新卒で勤めていたNTTデータや富士通さんなどのSIerが立ちはだかるわけですが、そこにどう入り込むか。
コニカミノルタさんは、カメラ機材でも使用しているし(ボクの露出系とカラーメーターはミノルタ制 ※全然壊れないから写真始めてからずっと使っている笑)、豊田市のプラネタリウムに撮影に行ったこともあるし、何か親近感があります。←完全に勝手に。
2021年7月に始めた新サービス「自治体DX支援プラットフォーム」の一番の役割は業務の「見える化」。
そう、見える化は本当に重要。
見えないことによる弊害が恐ろしいほどたくさんある。
政治的なこと、レガシーシステムとの接続など様々な課題が立ちはだかると思いますが、様々な業者が切磋琢磨し、社会が良い方向に向かうことを願っています。
– 吉野家 News Releaseより
ネットでもニュースになっていたのでご存知の方も多いと思いますが、吉野家さんがドラッグストア「ウエルシア薬局」で牛丼を販売をスタートしたそうです。
少しだけですが、個人的にビジネスを観察したいと思います。
↓吉野家さんのNews Release(PDF)
↓ITmediaニュース
急にドラッグストアで?という反応もあると思いますが、ニュースリリースによると実験的に2020年よりドラッグストアの弁当・惣菜売り場で「牛丼」並盛398円(税別)を販売していたそうで、ランチタイムを中心に一定の需要があり、納品・販売両方の体制が構築できたことにより正式に販売することになったそうです。
実験というのはとても大切ですね。ビジネスは失敗を恐れずやってみて、「事実」を掴むことが重要です。
では、今回の吉野家さんの戦略はどのようなものでしょうか?
これは非常に明確で、「販路拡大」ですね。
マーケティングというと「4P」というフレームワークがありますが、その中の「Place(販路)」つまり、どこで売る?という戦略です。
通常は出店計画を立て、お店を作り、人も雇って家賃も払って販売していく必要がある牛丼ですが、それを他社の小売業と協業することで、販路を広めるということです。
この「Place」は、意外とマーケティング戦略で見落としがち(検討漏れしがち)なのですが、非常に重要な要素の1つです。
言わずもがな、今は「Place」はリアル店舗だけではなくデジタル空間もありますが、これは完全にリアルですね。
もちろん吉野家さんにも公式通販ショップ(EC)がありますが、「コロナ禍の中食需要」という外部環境の変化に伴った販路拡大戦略を、「ドラッグストア」というリアル販売に目をつけたというところですね。
今回、吉野家さんにとって非常に良かったのは、ニュースリリースが報道各局(ネット含む)が取り上げてくれて、ニュースになったこと。
これはすごい宣伝効果だと思います。
ちなみにプロモーション(Promotion:広告宣伝)も、マーケティングの「4P」のひとつ。
「Place(販路)」をドラッグストアに、という戦略がニュース性を持っていて、メディアが取り上げてくれ、結果的に「Promotion(広告宣伝)」ができたという良い出来事でした。
ちなみに吉野家さんのECができたときってニュースになったのかな?ボクの記憶にはないですが、たいしてニュースになっていないのかもしれないですね。
意外性がニュースになるため、牛丼の具をECで売っても特に意外性はなくニュースにならないかもしれませんが、「ドラッグストアで」という戦略は今のところニュース性があったのでしょう。一般消費者も分かりやすく、違和感も感じるから取り上げてもらえたのでしょう。
「分かりやすい×意外性」は非常に効きます。
1〜2年後にどうなっているかわかりませんが、もしドラッグストアで牛丼が売っていることが当たり前になった世の中だとしたら、他社が同じことをやっても大したニュースにならないかもしれないです。
広告宣伝という意味では先行者有益になるかもしれません。
ウエルシア薬局さんも広告宣伝になりましたね。
コロナ禍で老舗企業も様々な戦略の立て直しが求められます。
今後も動向が気になりますね。
弊社 株式会社ビジネスのかんさつのコンサルティングは、「伴走型」の研修プログラムです。
「伴走」とは、伴って走ること。
貴社人材でプロジェクトチームを作り、貴社の実務上のビジネス課題を題材にして、様々な戦略立案やスキルUPを近くで寄り添いコーチ&アドバイザーとしてサポートします。
支援方法は貴社への訪問もしくはオンラインの2通りです。戦略立案(課題解決)+社内人材育成を同時に進められる研修プログラムです。
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