財務分析の基本 – 財務3表①損益計算書(P/L)の読み方

財務3表①損益計算書の読み方_title

 

財務分析をするためには、まず財務諸表を読み取ることができるようにする必要があります。

今回は財務諸表の主要である「財務3表」のひとつである損益計算書(P/L)の読み方について解説します。

筆者
佐治 秀保 / sajihideyasu

株式会社ビジネスのかんさつ ・ オルタナクリエイツ 代表

中小企業診断士 / PMVV・経営戦略・AI・DX・WEBマーケティングコンサルタント
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財務3表とは

財務諸表の中で、「損益計算書(P/L)」「貸借対照表(B/S)」「キャッシュフロー計算書」の3つをまとめて財務3表と呼ぶこともあります。

財務分析ではこの財務3表を使用します。

まずはそれぞれを読み取れるようにしていきましょう。

損益計算書(P/L)とは

損益計算書は、企業の1事業年度における経営の成績を明らかにする財務諸表です。1事業年度は通常1年間ですので、1年間の経営の成績になります。

「通常1年間」というのは、会社設立時や決算月の変更時などは1年に満たない場合もありますので、その場合はその期の期間になります。

企業がその期間にどれだけ儲かったか、もしくは損をしたのかを明らかにするための財務諸表です。

P/Lとも言う

損益計算書は「P/L(ピー・エル)」とも呼ばれます。これはProfit(利益)Loss(損失)の頭文字を取ったものです。

損益計算書の構造

では損益計算書の構造について見ていきましょう。

損益計算書は以下のような項目があります。

 

▼損益計算書の例

財務3表①損益計算書の読み方

 

はじめて損益計算書を見る方ですと、漢字と数字の羅列で何のことだかさっぱりかもしれませんが、全て意味のある言葉と数字です。(←当たり前ですね)

一番上の【売上高】の列にある数字が今期の売上高です。単位が「千円」と記載されているため、この例は売上高3億円ということになります。

 

そしてその下にさまざまな経費などが羅列しており、一番下の【当期純利益】が今期の最終的な利益額です。この場合は1,600万円が利益となります。

当期純利益が最終的な利益ではあるのですが、その上にも「利益」とつくものがいくつかあります。それらの「利益」たちが重要になりますので見ていきましょう。

 

財務3表①損益計算書の読み方

 

損益計算書には、この5つの「利益」が書かれています。重要ですので全て覚えていきましょう。

  • ①売上総利益
  • ②営業利益
  • ③経常利益
  • ④税引前当期純利益
  • ⑤当期純利益

 

構造としては以下のようなイメージです。

売上高から売上原価や販管費などなどが引かれて、最終的な⑤当期純利益になります。

 

財務3表①損益計算書の読み方

損益計算書の読み取り方

では、それぞれの利益を軸に損益計算書を読み取っていきましょう。

①売上総利益まで

財務3表①損益計算書の読み方_売上総利益

 

▼売上高

本業の営業活動の成果によって得た金額です。

1年間で商品やサービスを売った合計金額です。

 

▼売上原価

売上高のために購入した商品などの原価です。

「期首商品棚卸高」は前期に仕入れていて今期販売した分の原価で、「当期商品仕入高」は今期仕入れていて販売した分の原価です。

「期末商品棚卸高」は今期までに仕入れていたけど今期では販売できなかった分の原価です。これは次の期に「期首商品棚卸高」となります。

 

▼売上総利益

売上高から売上原価を差し引いた利益です。「粗利益」と呼ぶこともあります。

すごく簡単にいうと、『いくら仕入れていくら売ったか』というのが売上総利益ですね。

②営業利益まで

財務3表①損益計算書の読み方_R5_営業利益まで

 

▼販管費及び一般管理費

「販管費」は販売管理費のことで、以下のようなさまざまな項目があります。

  • 役員報酬
  • 人件費(給料)
  • 福利厚生費
  • 荷造運賃
  • 広告宣伝費
  • 接待交際費
  • 旅費交通費
  • 水道光熱費
  • 支払家賃
  • 減価償却費

人件費や広告宣伝費・家賃など、本業の営業活動をするために発生した費用です。

①で出てきた「売上原価」は売上高にほぼ比例することが多いですが、この「販管費」は商品が売れなくてもかかってくる費用がほとんどです。

 

▼営業利益

①売上総利益から、販管費及び一般管理費を引いた利益が②営業利益です。

本業での営業活動において得られた利益額を営業利益といいます。

③経常利益まで

営業利益より下は、本業の営業活動以外の収益・費用の算出となります。

 

▼営業外収益

本業の営業以外の活動で生じた収益(もうけ)です。よくあるのが財務活動によるものですね。

例えば他社の株式を持っていて得た配当金は「受取配当金」と呼ばれ営業外収益になります。

また、銀行預金や貸付金にて利息を得たものは「受取利息」と呼ばれ営業外収益です。

 

▼営業外費用

「費用」は、支払った金額です。

例えば借入金などのために支払った利息は営業外費用になります。

 

▼経常利益

②営業利益に「営業外収益」をプラスし、「営業外費用」をマイナスしたものが③経常利益になります。本業に加え、本業以外での収支を加味した利益になります。

営業外利益や営業外費用は本業での収支ではないにしろ経常的に発生しますので、このような名前なのでしょう。

④税引前当期純利益まで

さらに、その期にしか発生しないような臨時的・例外的に発生した収益(損失)を④税引前当期純利益と言います。

 

▼特別利益

例えば車や建物・土地などの固定資産を売却したときに得た「固定資産売却益」がこれにあたります。経常的に売買するものではないですよね。

 

▼特別損失

固定資産を売却した際に、帳簿価額よりも実際の売却価額が小さい場合は損失になります。また、災害などが生じて損失を被った場合も特別損失となります。

 

▼税引前当期純利益

③経常利益から、これら特別利益・特別損失を差し引いた額が④税引前当期純利益と言います。

⑤当期純利益まで

では最後の当期純利益です。

 

▼法人税・住民税及び事業税

④税引前当期純利益の金額を元に、課税所得に対して各種税金が計算されます。

 

▼当期純利益

④税引前当期純利益から各種税金を差し引いた利益を⑤当期純利益といいます。

当期純利益は、繰越利益剰余金として貸借対照表(B/S)に反映されます。

まとめ

会社の成績である財務諸表を見ることは、経営戦略立案に向けた現状分析においてとても重要です。

今回は財務分析に向けて、まずは損益計算書(P/L)の読み取り方について解説しました。

貸借対照表(B/S)とキャッシュフロー計算書も読み取り方を身につけ、財務分析に役立てましょう。

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