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ビジネスのかんさつ日記

【ビジネスの観察】朝ドラ「カムカムエヴリバディ」の”回転焼き”と”およげ!たいやきくん”を3C分析してみる。

カムカムエヴリバディ

– NHKカムカムエヴリバディ Webサイトより

 

2021年11月から放送されているNHKの朝ドラ「カムカムエヴリバディ」。昭和から令和までの100年の物語を3人のヒロインでストーリー展開されている藤本有紀さん脚本の朝ドラです。

あさイチ冒頭の朝ドラ受け含めてNHKプラスで楽しく拝見しています。

 

だんだん現代に近づくにつれて、自分が知っている時代になってくるとまた親近感が湧きますね。ちょっとボクとは世代が違いますが、60〜70年代の空気感も大好きなので楽しんで観ています。

 

カムカムエヴリバディ_キャスト

– NHKカムカムエヴリバディ Webサイトより

 

少し前に、2代目ヒロイン深津絵里さん演じる大月るいとオダギリジョーさん演じる大月錠一郎が京都に引っ越して、回転焼き屋「大月」を始めました。ゼロから回転焼き屋で生計立てるのも難しそうだな…と感じた方も多いかもしれませんが、それはさておき、その回転焼きが途中でパッタリ売れ行きが悪くなった時がありました。

 

この辺りについて、勝手ながらビジネスの観察をしていきたいと思います。

 

回転焼き屋「大月」に見る3C分析

今回は、回転焼き屋「大月」を3C分析してみたいと思います。

 

いきなり余談ですが、「回転焼き」は関西の呼び方なのかな?ボクは「大判焼き」や「今川焼き」と呼んでいましたね。多分一緒です。日本って面白いですね。海外の方は同じものを地方で呼び方が違うなんて混乱しちゃいますよね。

 

ごめんなさい、本題です。

3C分析とは?

3C(サンシー)分析とは、マーケティング用語で、マーケティングの環境分析に使用されるフレームワークの一つです。3C分析は1980年代にマッキンゼーの大前研一さんが提唱された考え方です。よく現状分析の際に使用される有名なフレームワークですね。

マクロ環境のような大きな環境分析ではなく、比較的身近なミクロ環境分析になります。

基本的な戦略プロセスとしては、環境分析をしてからSWOT分析(戦略の方向性を考えるために整理するフレームワーク)に移るため、3C分析はSWOT分析の前段階の分析となります。

3つのC

3C分析はその名の通り、以下の3つのCから始まる英単語で構成されているフレームワークです。

① Costomer(市場・顧客)

② Competitor(競合)

③ Company(自社)

 

この3つのCの関係性を明確にし、どうしたらビジネスが成功するのか?を考えるために整理していきます。

① Costomer(市場・顧客)

まずはCostomer(市場・顧客)です。

回転焼き「大月」は、京都のとある商店街にオープンしました。オープンしたての頃、京都商店街の方に「このへんのもんは食わんで」と言われてしまいました。京都の方は舌がこえており回転焼きは受け入れられないのではという理由でした。

 

るいとジョーはお祭りで見かけた回転焼き屋をやろうという安易な発想でしたので、地元のニーズ・嗜好性などは調べてもいません。もちろん、あんこの作りには自信があったかもしれませんが、開店当初に地元の方にそう言われたら顔面蒼白ですよね。。でも、視聴者の方の多くもそう思ったかもしれません。

 

ただ、大阪編からのお付き合いで、京都で面倒をみてくれている市川実日子さん演じるベリー(本名:野田一子)による効果で回転焼きが売れ始めます。これは超絶ラッキーです。

 

またまた余談ですが、ボクは「すいか」の頃から市川実日子さんが大好きで、そのために三軒茶屋の近くに住んだものでした。(正確には駒沢大学のが近かったけど)「大豆田とわこ」もよかったなぁ。

 

しかも、一子(いちこ)の娘が一恵(いちえ)という、なんて素敵な名付けなんでしょう。

 

というわけで本題に戻り、、、

今回はベリーのおかげでラッキーでしたが、まずこのCostomer(市場・顧客)でスベってしまっては、マーケティング戦略は成り立ちませんよね。でも結果的には潜在的なニーズがあったということでもありますのでマーケティングは面白いですね。

② Competitor(競合)

今回はここが問題ですね。途中でパッタリ売れなくなってしまったのは、「およげ!たいやきくん」が大ヒットした時でした。「たい焼きブーム」がきて子供も大人もたい焼きを買い求めるシーンが描かれました。

 

正確にいうと「たい焼き」と「回転焼き」は商品が異なりますが、代替品とは言えるでしょう。たい焼き食べてすぐに回転焼き食べたいな、とは思いませんからね。流行りであるたい焼きに人々が移ってしまうのも仕方ないかもしれません。

 

– BIGIN「およげ!たいやきくん」

 

しかし大ヒットしてしまったのでたい焼き屋がかなりのCompetitorになってしまいましたね。これは他の業界でもある話です。

あるコンビニの近くに違うコンビニができたり、ドラッグストアができても影響は大きいでしょう。DVDショップとNetflixなども代替品としてはCompetitorになります。

 

みなさんもこのようなご経験はありませんでしょうか?

消費者の立場だと「昔使っていたけど最近全然買わなくなったなぁ。」というものです。何か別の競合や代替品などのCompetitorに移ったんでしょうね。”一生安泰”というビジネスは無いので、経営する側としては「急な環境変化はあって当たり前」と心掛けて次の戦略を考えておくのがオススメです。

③ Company(自社)

さあ、そうした時に自社はどうしたら良いのでしょうか?

るいの「おいしいあんこを作る技術」によって支えられている「大月」は、話題性のたい焼きに勝てるでしょうか?るいはともかくジョーの接客もマイナスになっているようです。(ボクだったらそんなジョーから買ってみたいけど)

あんこの味では勝っているかもしれませんが、それは非常に曖昧な定性的な価値観になるため明確な差別化とは言い切れず、また、多くの人はそこ(味)で判断することはできないでしょう。かなり厳しい勝負ではあります。

 

「良い商品を作ってるのに売れない」というあるあるの現象が起きます。

 

外部環境の変化を待つのか、自社でどうにかするか

たい焼きがそうだったように、回転焼きが「走れ!回転焼き(仮)」でたい焼き以上の大ブームになるみたいな何かしらのブームが起きてバカ売れするみたいな他力本願(外部環境の変化)ではいつになるか分からず、そんなビッグなチャンスはなかなか巡ってこないでしょう。

 

皆さんが「大月るい」だったら、どうしますか?

ベリーの言う通り、子門真人を恨んでも仕方ありません。

 

もちろん答えは一つではなく、いろんな戦略と手段があるのでしょう。

こんな時、コンサルとしてどうサポートするか。そんなことを考えながら朝ドラを楽しく見ています。

広告写真家 / 中小企業診断士 佐治秀保
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