ビジネスのかんさつ日記
– 吉野家 News Releaseより
ネットでもニュースになっていたのでご存知の方も多いと思いますが、吉野家さんがドラッグストア「ウエルシア薬局」で牛丼を販売をスタートしたそうです。
少しだけですが、個人的にビジネスを観察したいと思います。
↓吉野家さんのNews Release(PDF)
↓ITmediaニュース
急にドラッグストアで?という反応もあると思いますが、ニュースリリースによると実験的に2020年よりドラッグストアの弁当・惣菜売り場で「牛丼」並盛398円(税別)を販売していたそうで、ランチタイムを中心に一定の需要があり、納品・販売両方の体制が構築できたことにより正式に販売することになったそうです。
実験というのはとても大切ですね。ビジネスは失敗を恐れずやってみて、「事実」を掴むことが重要です。
では、今回の吉野家さんの戦略はどのようなものでしょうか?
これは非常に明確で、「販路拡大」ですね。
マーケティングというと「4P」というフレームワークがありますが、その中の「Place(販路)」つまり、どこで売る?という戦略です。
通常は出店計画を立て、お店を作り、人も雇って家賃も払って販売していく必要がある牛丼ですが、それを他社の小売業と協業することで、販路を広めるということです。
この「Place」は、意外とマーケティング戦略で見落としがち(検討漏れしがち)なのですが、非常に重要な要素の1つです。
言わずもがな、今は「Place」はリアル店舗だけではなくデジタル空間もありますが、これは完全にリアルですね。
もちろん吉野家さんにも公式通販ショップ(EC)がありますが、「コロナ禍の中食需要」という外部環境の変化に伴った販路拡大戦略を、「ドラッグストア」というリアル販売に目をつけたというところですね。
今回、吉野家さんにとって非常に良かったのは、ニュースリリースが報道各局(ネット含む)が取り上げてくれて、ニュースになったこと。
これはすごい宣伝効果だと思います。
ちなみにプロモーション(Promotion:広告宣伝)も、マーケティングの「4P」のひとつ。
「Place(販路)」をドラッグストアに、という戦略がニュース性を持っていて、メディアが取り上げてくれ、結果的に「Promotion(広告宣伝)」ができたという良い出来事でした。
ちなみに吉野家さんのECができたときってニュースになったのかな?ボクの記憶にはないですが、たいしてニュースになっていないのかもしれないですね。
意外性がニュースになるため、牛丼の具をECで売っても特に意外性はなくニュースにならないかもしれませんが、「ドラッグストアで」という戦略は今のところニュース性があったのでしょう。一般消費者も分かりやすく、違和感も感じるから取り上げてもらえたのでしょう。
「分かりやすい×意外性」は非常に効きます。
1〜2年後にどうなっているかわかりませんが、もしドラッグストアで牛丼が売っていることが当たり前になった世の中だとしたら、他社が同じことをやっても大したニュースにならないかもしれないです。
広告宣伝という意味では先行者有益になるかもしれません。
ウエルシア薬局さんも広告宣伝になりましたね。
コロナ禍で老舗企業も様々な戦略の立て直しが求められます。
今後も動向が気になりますね。
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