財務分析の方法⑧ CVP分析 | 損益分岐点分析の計算方法

企業が利益を確保するためには、売上とコストの関係を明確にし、どの時点で利益が発生するのかを把握することが重要です。
特に、固定費や変動費を考慮して「最低どれだけ売上を上げれば損をしないか」を知るために活用されるのがCVP分析(Cost-Volume-Profit Analysis)、通称「損益分岐点分析」です。
本記事では、CVP分析の基本概念、計算方法、活用事例について解説します。
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目次
CVP分析(損益分岐点分析)とは?
CVP分析とは、売上高・コスト・利益の関係を分析する手法で、特に損益分岐点(Break-even Point: BEP)を求めるために用いられます。
損益分岐点とは、売上とコストが一致し、利益がゼロとなる売上高または販売数量のことを指します。つまり、「これ以上売れば利益が出るが、これ未満だと赤字になる」ポイントを示します。
この分析を行うことで、以下のような経営判断が可能になります。
- 目標売上高の設定
- コスト構造の最適化
- 価格戦略の検討
- 経営リスクの把握
損益分岐点の計算方法
損益分岐点(BEP)を求めるために、まず企業のコスト構造を理解する必要があります。
(1)コストの分類
企業のコストは、大きく固定費と変動費に分けられます。
- 固定費(Fixed Cost: FC)
→ 売上に関係なく発生する費用(例:家賃、人件費、減価償却費) - 変動費(Variable Cost: VC)
→ 売上に応じて増減する費用(例:原材料費、販売手数料)
売上高(Sales: S)と変動費を考慮した限界利益(Contribution Margin: CM)を求めると、損益分岐点を計算できます。
(2)損益分岐点売上高の計算式
損益分岐点売上高 = 固定費 / 限界利益率
限界利益率 = 1 − 変動費率
変動費率 = 変動費 / 売上高
具体例:ある企業のコスト構造
- 固定費:500万円
- 変動費率:40%(売上の40%が変動費に消える)
この場合、限界利益率は
1 − 0.4 = 0.6(60%)
したがって、損益分岐点売上高は
500万円 / 0.6 = 833万円
となります。つまり、833万円以上の売上を上げなければ赤字になります。
損益分岐点分析の活用方法
(1)利益目標達成のための売上目標設定
例えば、「年間で200万円の利益を確保したい」と考えた場合、目標売上高を次のように計算できます。
目標売上高 = (固定費 + 目標利益)/ 限界利益率
(500万円 + 200万円)/ 0.6 = 1,166万円
つまり、年間1,166万円の売上を達成すれば、200万円の利益が確保できると分かります。
(2)価格設定の最適化
CVP分析を活用すれば、「どの価格なら採算が合うか?」を判断できます。
例えば、1商品あたりの販売単価を決める際に、固定費や変動費を考慮して、適切な価格を設定することが可能になります。
価格設定の調整例
- 商品価格を上げる → 損益分岐点を下げる(少ない販売数で利益確保)
- コストを削減する → 限界利益率を高め、損益分岐点を下げる
(3)コスト削減戦略の立案
損益分岐点を下げるには、以下の方法が考えられます。
- 固定費の削減 → 事務所の移転、ITツール導入による業務効率化
- 変動費の削減 → 仕入れ先の見直し、原材料費のコストダウン
固定費と変動費のバランスを見直し、最適なコスト構造を構築することが経営安定化の鍵となります。
おすすめ図書
📖 『「管理会計の基本」がすべてわかる本 第2版』
→ 損益分岐点分析を含む管理会計の基本を学べる一冊。
📖 『簿記知識ゼロから決算書・キャッシュフロー・CVP分析を理解する方法』
→ 簿記知識ゼロからでも決算書・キャッシュフロー・CVP分析がわかる解説書。
まとめ
- CVP分析(損益分岐点分析)は、企業の収益構造を把握するために不可欠な手法
- 固定費・変動費を分けて計算し、損益分岐点売上高を求めることで、経営リスクを可視化できる
- 売上目標の設定、価格戦略、コスト削減に活用できる
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