ビジネスにおいて自社の業界の動き(業界動向)を知ることは、今後の経営戦略立案に向けて非常に重要な要素となります。
業界動向とは、その業界の製品の生産量・販売額・そこで働く従業員数や、市場規模・価格推移・シェア・ランキングなどの統計および経年の推移など、「その業界がどう動いているのか?」です。
業界動向を知ることにより、自社ビジネスの「現在地」を知ることができ、将来の予測立てにも役立てることができます。
今回は、業界動向の調べ方・分析方法について解説します。
目次
業界動向分析とは、その業界の製品の生産量・販売額・そこで働く従業員数や、市場規模・価格推移・シェア・ランキングなどの統計および経年の推移などを調査し、自社にどう影響するのかを分析することです。
例えば以下について調査をし、業界の動向を把握していきます。
業界動向を調査するための情報源は、以下のようなものがあります。
業界動向は基本的に統計データであり、自社では直接調査を実施することは困難です。公的機関や研究機関もしくは信頼できる企業のリサーチデータを調べていきます。
ちなみに、自社で調査したデータを「1次データ」といい、他社が調査したデータを「2次データ」といいます。業界動向は基本的に2次データになりますね。
例えば、「ケーキ屋」を営んでいるとします。洋菓子業界ですね。
少し前のデータですが、株式会社矢野経済研究所による調査によると、「和洋菓子・デザート類」の市場規模は約2.1兆円で、コロナ前の数年はほぼ横ばいで推移していましたが、コロナ禍の自粛期間があった2020年で減少、その後は少し戻すと予想されていますが、成長とまではいかないようです。
理由としてはお土産需要が減っているということが大きいようです。
▼和洋菓子・デザート類市場規模推移・予測
– 矢野経済研究所WEBサイトより
一方、「和洋菓子・デザート類市場の流通チャネル別構成比」はこのようなデータを発表されています。
▼和洋菓子・デザート類市場の流通チャネル別構成比
– 矢野経済研究所WEBサイトより
2020年時点での調査ですが、どのチャネルで販売されているのかのシェアがよく分かりますね。
このように調査機関でも無い限り直接調べることが難しい情報でも、そのデータを有償もしくは無償で提供している機関や企業がありますので、その情報を仕入れておくと、「業界の動き」を把握することができます。
もちろん、ケーキ屋の業界動向を調べるのに「和洋菓子・デザート類」ですと広すぎもする範囲ですので、もっと多面的にさまざまな情報を得て、自社に関係する調査を拾っていくという作業が必要になります。
その他、業界トップクラスの企業はどのような動きがあるか(例えば海外進出や商品開発が高級志向になってきているなど)をニュースソースなどで得ることも業界動向の調査になります。
調査をしたら、分析をします。
調査は主に定量的な事実データではありますが、その数値を眺めるだけでなく、「そこから何が言えるのか?」まで考えることが分析です。
例えば、
・数字は〇〇で推移しているので、市場は今後縮小or拡大していく
・個人経営店の倒産件数が減っているので、自社のような地域密着の専門店が選ばれている可能性がある
・海外からの参入が相次いでいるため、今後も海外勢が増えシェアをとられる可能性がある
・コンビニよりもスーパーマーケットの洋菓子の販売力が高まってきている
など、業界の動きから今後の「機会(Opportunity)」となる要因および「脅威(Threat)」となる要因(特徴)を洗い出していきます。
統計データなどの数値データで業界動向の推移やシェアを見ていくと、大きな視点でビジネスを観察することができます。
自社のビジネスの業界が、今どのような動きがあり、今後どのような動きになっていくのか?という予測(分析)が立てられるようになるため、今後の経営戦略立案のための「ひらめき」が起きることもあります。
もちろん世の中は絶えず流れていますので、年に1度は業界動向調査をした方が良いでしょう。業界地図なども年に1回発行されていますのでチェックしてみてください。
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