5フォース分析とは?自社に与える外部環境を調査・分析する方法

5フォース分析とは?

 

外部環境分析とは?の記事で、ビジネスで経営戦略を立案するために必要な「現状分析(環境分析)」には、外部環境分析と内部環境分析があり、外部環境分析にも①マクロ環境分析②ミクロ環境分析があるとお伝えしました。

 

今回は②ミクロ環境分析によく使用されるフレームワーク「5フォース分析」について解説します。

筆者
佐治 秀保 / sajihideyasu

株式会社ビジネスのかんさつ 代表/オルタナクリエイツ 代表

広告写真家・クリエイティブディレクター
経営戦略 & WEBマーケティングコンサルタント(中小企業診断士)

プロフィール詳細

ミクロ環境とは?

「ミクロ(Micro)」は辞書によると、『ごく小さい』『微小』という意味があります。反対に「マクロ(Macro)」とは、『巨大であること』『巨視的であること』という意味です。

 

経営用語では、外部環境の中でもマクロ環境は自社では直接コントロールできないくらい大きな環境で、ミクロ環境は直接影響を与えられる自社に近い外部環境のことを指します。

 

▼マクロ環境とミクロ環境のイメージ図

マクロ環境とミクロ環境_5フォース分析

ミクロ環境の概要

経営学でいう「ミクロ環境」とは、顧客ニーズや競合他社の動向といった、自社が直接影響を与えることもできる環境のことを言います。

 

例えば、業界内の競合他社や新規参入してくる企業、対象エリアの顧客ニーズや仕入れ先の動向など、自社を取り巻く近い環境です。それらの動向は、自社ビジネスにしっかり影響してくる要素も多くあるでしょう。

 

「顧客ニーズや他社のことを自社が影響を与えることなんてできないのでは?」と思われるかもしれませんが、例えば他社が店舗を出しているエリアに自社が新しく出店したならば、そのエリアの顧客の動きや他社の動きにも影響を与えることができます。

5フォース分析とは?

5フォース分析とは、その名の通り5つのフォース(力)を調査して自社に与えられる影響を分析していきます。「PEST分析」と同じく、現在だけでなく未来についても予測して調査をします。

5フォース分析の目的

5フォース分析は、自社の業界全体の競合状態や収益構造を明らかにし、自社に影響を与える要素を洗い出します。

その目的は、経営戦略立案において「機会(Opportunity)」となる要因および「脅威(Threat)」となる要因(特徴)を洗い出し、今後の経営戦略立案に役立てることです。

それによって以下を判断し、自社はどのように収益を上げていくか?を考えられるようにします。

  • どう優位性を持つ?(収益性向上)
  • 新規参入・撤退の判断
  • リソース(資源)の配分 

5フォース分析の提唱者

5フォース分析は、アメリカの経営学者マイケル・ポーター氏です。その他「バリューチェーン分析」や「競争戦略」も提唱されています。

5フォース分析の概要

5フォース分析は、以下の5つのフォースを調べます。

  • ① 業界内の競合は?
  • ② 新規参入の脅威は?
  • ③ 代替品の脅威は?
  • ④ 売り手の交渉力は?
  • ⑤ 買い手の交渉力は?

上記の5つの視点において、自社ビジネスに影響していきそうな要因を調査・分析していきます。

 

5フォースは以下のような図にまとめられます。

 

009_5フォース分析_図

 

それではひとつずつ見ていきましょう。

① 業界内の競合

まずは自社の業界内の競合を調査します。

自社の商圏エリアにおいて、以下のようなことを調査します。

  • 競合がどれくらいいるか?
  • 競合の「売り」は何か?
  • 競合の主なターゲットやターゲットの被り具合はどうか?
  • 競合の価格帯はどれくらい?

 

例えばみなさんが建設業を営まれているとします。競合は全国規模の大手ハウスメーカーさんもいますし、同じエリアで展開する中規模建設会社さんもいます。地元密着の工務店さんもいますね。

自社に影響する業界内の競合が、どのような商売をしているかを調査していきます。

② 新規参入の脅威

次に新規参入の脅威を調査します。

新規参入とは、違うエリアや業界から自社の業界に参入してくることです。

 

例えばケーキ屋さんを営んでいるとします。自社の商圏エリアに新規オープンしてくるお店もあるかもしれませんし、別業界が洋菓子業界に参入することもあります。ネットで販売するなど違う形態で参入してくる企業もあるかもしれません。それらがあるかどうかを調査します。

③ 代替品の脅威

次に代替品の脅威を調査します。

代替品とは、自社の販売している商品やサービスが、別のモノに取って変わられるかどうかです。

 

例えばメディア関連もそうですね。紙などのアナログで配信していたものがネットニュースなど代わりに情報を得られるツールも増えました。いわゆるゲームチェンジが生じるのも代替品が多いですね。

コンパクトデジタルカメラもスマホに代わりましたし、うちわもハンディ扇風機に変わるなんてものもあります。

④ 売り手の交渉力

次に売り手の交渉力を調査します。

部品や原材料などのサプライヤーからの要求の強さを調査します。

 

例えばパン屋さんでしたら、小麦やバターなどを仕入れると思いますが、原材料が高騰すると自社ビジネスに大きく影響されます。

⑤ 買い手の交渉力

最後に買い手の交渉力を調査します。

買い手とは顧客です。値下げや品質向上ニーズなど、顧客の要求の強さを調査します。

 

例えば家電量販店さんだとすると、価格交渉・ポイント・保証など、「他店やネットで買うよ」という選択もあります。その時代に応じて顧客の欲求が変わり、交渉力が変わっていきます。

まとめ

5フォース分析は、自社に直接影響を与えられる近い外部環境のため非常に重要な分析です。ぜひ戦略を考える上で活用してみてください。

自社での5フォース分析が難しい場合は

自社で5フォース分析が難しい場合は、弊社で「経営診断」のコンサルティングをしています。

また、社内人材に経営戦略立案プロセスを学んでいただく中長期戦略立案の「伴走型研修プログラム」もございますのでお気軽にお問い合わせください。

オンライン動画講座で学ぶ

オンライン動画講座『ビジかんアカデミア』でも、「PEST分析」について解説していますのでぜひ学んでください。

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『5フォース分析とは?自社に与える外部環境を調査・分析する方法』


広告写真家 / 中小企業診断士 佐治秀保
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