内部環境分析とは?内部環境分析の目的と調査内容

内部環境分析とは

前回は、外部環境分析についてお話しいたしました。

今回はビジネスで経営戦略を立案するために必要な「現状分析(環境分析)」のうち、内部環境分析について概要およびその目的、よく使用されるフレームワークついて解説します。

筆者
佐治 秀保 / sajihideyasu

株式会社ビジネスのかんさつ 代表/オルタナクリエイツ 代表

広告写真家・クリエイティブディレクター
経営戦略 & WEBマーケティングコンサルタント(中小企業診断士)

プロフィール詳細

内部環境分析の概要

内部環境分析は、外部環境とは異なり、自社内の経営資源(リソース)について分析をしていきます。

「現状分析(環境分析)とは?」の記事で、「孫子」の有名な格言「彼を知り己を知れば百戦殆からず」について書きましたが、内部環境分析は「己を知る」にあたります。

「彼(外部)」のみならず、「己(内部)」がどのような状況であるのかを正確に把握することは経営戦略立案において非常に重要です。

リソースとは、ヒトモノカネ情報、そして時間や知的財産など、いわば会社の財産です。

自社がどのような財産を持ち、どのような状態であるかを分析していきます。

↓リソースについてはこちらの記事もご覧ください。

内部環境分析の目的

内部環境分析の目的は、競合他社と比較した自社の「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」を把握することです。

『競合他社と比較する』ことがポイントで、自社だけを見て強い・弱いを決めるのではなく、競合と比べてどうか?の軸で強い・弱いを把握していきます。

強み・弱みを把握(見える化)した上で、今後の経営戦略の立案に役立てていきます。

見える化することにより、強みはより活かし、弱みを補う戦略を立てることが可能となります。

内部環境分析の調査内容

内部環境分析では主に以下の調査をし、経営資源を確認していきます。

  • 販売分析(保有データの種類の確認およびデータ分析)
  • 財務分析
  • 現在のマーケティング戦略調査
  • 商品・サービス内容および価格調査
  • 店舗観察調査、製造工程調査
  • 5S調査
  • ホームページ・SNS等の発信物調査
  • 知的財産調査
  • 組織調査
  • 経営者ヒアリング
  • 従業員ヒアリング
  • 従業員満足度調査(モラールサーベイ)

ちょっと調査項目が多く感じるかもしれませんが、企業経営は多くの要因から成り立っているため、様々な角度から調査をしていきます。

健康診断や人間ドックにしても、様々な検査をすることと同じです。

上記以外にも様々な調査をすることもあります。製造業か流通業かなど業種によっても調査すべき内容は異なりますが、自社の状況にあった調査を選択して実施していきます。

これら内部環境を調査することで、外部環境分析で調査した競合に比べ、自社はどのような状態なのか?を定性的・定量的に分析します。

ただし、財務分析や従業員満足度調査(モラールサーベイ)などは競合との比較はできませんので、「業界平均値」「自社の過去の実績」と比較することで分析をしていきます。

内部環境分析でよく使用されるフレームワーク

外部環境分析の記事でも書きましたが、調査・分析をする手法として、「フレームワーク」がよく使用されます。フレームワークとは「枠組み」という意味で、このような内容の分析をしたい場合はこのような着眼(切り口)で調査・分析すると良いですよ、という便利なツールです。

また、フレームワークは「洩れなく・ダブりなく」とMECE(ミーシー:Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive)となっていることが多いため、調査洩れが生じることも防ぐことができます。

内部環境分析でよく使用されるフレームワークは、「VRIO分析」「バリューチェーン分析」です。

VRIO分析

VRIO(ブリオ)分析は、企業内部に存在する「経営資源」の強みや競争優位性を明確にするためのフレームワークです。

「経済価値(Value)」「希少性(Rarity)」「模倣困難性(Inimitability)」「組織(Organization)」の4つの切り口で経営資源を評価していきます。

バリューチェーン(価値連鎖)分析

バリューチェーン分析は、価値連鎖ともいいます。

ビジネスは様々な活動から成り立っています。そのどの部分から競争優位に結びつく価値が生み出されているか、どの部分に強み・弱みがあるのかを分析するためのフレームワークです。

その他

その他、フレームワークではありませんが、従業員満足度調査や店舗観察調査にはそれぞれ手法があり、それを自社の実態に合わせて活用して調査・分析していきます。

1年に1度は内部環境分析を

今回はざっくりと内部環境分析の目的や概要、調査内容、よく使用されるフレームワークの紹介をしました。

経営者さんであっても意外と自社が「どのような状態なのか?」を正確に把握している企業は多くありません。

これは、ビジネスが様々な活動から成り立っていることと、社内の人間関係もあるためです。

ただ戦略立案のために「己を知る」ことは必要不可欠ですので、戦略策定の際に少なくとも1年に1度は内部環境分析をして戦略立案に備えるのが理想です。

内部環境分析の方法は「コンサルタントなどの外部に依頼する」「自社内の人材で調査・分析する」のどちらかになります。

コンサルタントなどの外部に調査・分析を依頼する

調査は多岐に渡り、また、販売分析や財務分析などは専門的な知識やスキルが必要であり、従業員満足度調査などナイーブなものありますので、中小企業診断士などの外部のコンサルタントに依頼するのが一般的です。

外部の視点で様々な調査を客観的に見てもらえるのが、外部のコンサルタントに依頼することのメリットです。

自社内の人材で調査・分析する

大手や中堅企業であれば、社内に「経営企画部」などの部署も存在すると思います。そういった部署で内部環境分析を実施することもありますが、意外と分析の知識や手法・ノウハウがない場合もあります。

弊社ビジネスのかんさつでは、社内人材に戦略立案ノウハウを身につけていただくための「伴走型の研修プログラム」を用意しています。「伴走」とは、「伴って一緒に走ること」です。

実際の貴社の経営戦略を立案するために、手法や知識をお伝えしながら社内に戦略立案ノウハウを身につけていただける研修です。

「戦略を立てたいが、どうやって進めるのか分からない」「社内に戦略を考えられる人材が欲しい」などと思われている企業さんに受講いただいています。

ビジネスのかんさつ「伴走型研修プログラム」

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『内部環境分析とは?内部環境分析の目的と調査内容』


広告写真家 / 中小企業診断士 佐治秀保
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OUR SERVICE

戦略立案コンサルティング&リスキリング研修サービス

戦略立案コンサルティング

4種類のコンサルティングと範囲

コンサルティングの範囲

経営理念・経営ビジョン策定から機能戦略までフルパッケージの『経営全般コンサル(1-A)』、事業計画作成など経営戦略以下に特化する『経営戦略立案コンサル(1-B)』、事業ごとの戦略立案である『新事業開発コンサル(1-C)』『既存事業リブランディングコンサル(1-D)』があります。
ご支援方法は「お任せプラン」と「伴走型プラン」の2種類。伴走型とは、貴社にてプロジェクトチームを作り、戦略立案方法等をレクチャーしながら進めるプランです。

コンサルティングの流れ

また、継続的な経営の意思決定を支援する「経営顧問(1-Z)」のアドバイザリー契約も可能です。

1-A経営全般コンサルティング

期間:約1〜3ヶ月対象:すべての事業者様
任:240万円〜 / 伴:180万円〜
経営全般コンサルティング

理念の明文化から戦略立案までフルパッケージ。

企業経営の根幹となる「経営理念」「ビジョン」の明文化から現状分析・戦略立案・アクションプランへの落とし込みまでフルパッケージでご支援します。

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1-B経営戦略立案コンサルティング

期間:約1〜3ヶ月対象:すべての事業者様
任:180万円〜 / 伴:135万円〜
経営戦略立案コンサルティング

1〜5年間の経営戦略立案・事業計画書作成。

「経営戦略立案」に特化したコンサルティングです。貴社で策定された経営理念や経営ビジョンを元に、現状分析・戦略立案・アクションプランまで策定し見える化します。

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1-C新事業開発コンサルティング

期間:約1〜3ヶ月対象:すべての事業者様
任:86万円〜 / 伴:64万円〜
新事業開発コンサル

新規事業の企画からマーケティング戦略の実行支援まで。

新規事業開発に特化したコンサルティングです。貴社リソースやビジョンを元に、新規商品・サービスの企画からマーケティング戦略立案(事業戦略・ブランディング・プロモーション・実行計画等の支援等)をします。

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1-D既存事業リブランディングコンサル

期間:約1〜3ヶ月対象:すべての事業者様
任:86万円〜 / 伴:64万円〜
既存事業リブランディングコンサル

既存事業の戦略見直し&リブランディング。

既存事業の戦略再構築とリブランディングに特化したコンサルティングです。貴社リソースやビジョンを元に、特定の既存事業のマーケティング戦略立案や再構築(企画・事業戦略・ブランド・プロモーション・実行計画等の支援等)をします。

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1-Z経営顧問(アドバイザリー契約)

1年契約対象:すべての事業者様
8万円/月〜(クリエイティブ優待有)
経営顧問アドバイザリー契約

継続的な意思決定支援。

毎月定額で継続的な経営意思決定アドバイスをします。立案した戦略の実行状態を毎月確認し、アクションプランのPDCAにて修正・改善を支援します。

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戦略立案研修

2-A新事業開発/マーケティング戦略立案研修

3日間集中 / 計18時間出張訪問型対象:すべての事業者様
参加4名までの場合 / ¥580,000〜
経営全般コンサルティング

マーケティング戦略立案力を基礎から身につける。

新商品・新サービスの開発や立ち上げなど実際に新規ビジネスを構築するための基礎知識やプロセスを学ぶ伴走型研修プログラムです。

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2-BWEBマーケティング戦略立案&実行研修

2日間集中 / 計12時間出張訪問型対象:すべての事業者様
参加4名までの場合 / ¥380,000〜
WEBマーケティング戦略立案実行研修

WEBマーケ基礎知識からアクセス解析まで。

WEBマーケティングの戦略立案および実行を基礎知識から習得していただく伴走型研修プログラムです。

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2-C後継者・次世代リーダー向け経営基礎力強化研修

4日間集中 / 計24時間出張訪問型対象:後継者・リーダー候補者様
参加3名までの場合 / ¥820,000〜
後継者・次世代リーダー向け経営基礎力強化研修

次世代リーダーの経営基礎力を高める。

事業承継などの後継者や次世代リーダー候補者向けに経営基礎力強化に向けた基礎知識や戦略プロセスを学ぶ伴走型研修プログラムです。

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クリエイティブ研修

3-A写真撮影&レタッチ研修(撮トレ)

2〜4日間集中 / 計12〜24時間出張訪問型対象:すべての事業者様
参加3名までの場合 / ¥248,000〜
法人向け写真撮影レタッチ研修(撮トレ)

写真撮影・レタッチできる社内人材を育成する。

2〜4日間で学ぶ、主に一眼レフ・ミラーレス一眼レフを使用したビジネス特化の出張型プライベート写真研修です。ディレクションやPhotoshopを使用したレタッチや合成も学べます。

詳細を見る
(撮トレWEBサイト)

3-B動画撮影&編集研修(撮トレ)

2〜3日間集中 / 計12〜18時間出張訪問型対象:すべての事業者様
参加3名までの場合 / ¥258,000〜
法人向け動画撮影編集研修(撮トレ)

動画撮影・編集できる社内人材を育成する。

主に一眼レフ・ミラーレス一眼レフを使用したビジネス特化の出張型プライベート動画研修です。絵コンテやAdobe Premiere Proを使用した動画編集も学ぶことができます。

詳細を見る
(撮トレWEBサイト)

3-Cストロボスタジオ構築&撮影研修(撮築)

1〜2日間集中 / 計5〜10時間出張訪問型対象:すべての事業者様
コンサル・機材費・設置・レッスン込み / ¥810,000〜
ストロボスタジオ構築&撮影研修(撮築)

スタジオ構築で、写真撮影を社内で内製化。

社内で人物撮影・商品撮影・料理撮影などの写真撮影をしたい企業様向けに、ストロボ・ライティング環境のコンサル&設営と、スタッフさんへの撮影研修をご提供します。

詳細を見る
(撮築WEBサイト)

3-Dカメラ撮影オンライン研修(ビジかんアカデミア)

1講座 15分〜オンライン動画対象:すべての事業者様
カメラ撮影オンライン研修(ビジかんアカデミア)

動画で学ぶ、法人向け写真撮影基礎講座。

SNSやオウンドメディアでの発信に役立つ、写真撮影のためのカメラ知識やスキル・考え方をオンライン動画で学べます。

詳細を見る
(ビジかんアカデミアWEBサイト)
経営戦略立案への道

【STUDYコラム】経営戦略立案への道

経営戦略の立案に向けた知識・用語・プロセスを、弊社の視点で解説していきます。経営戦略の立案スキルを身につけて強いビジネスを構築しましょう。

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